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これも新規事業構築の定石といえる。つまり自社のバリューチェーン(価値連鎖)の一部を他社に提供する、いわゆる受託といわれる新規事業創出の定石だ。すなわち、自社の機能の中で優れている部分を他社に提供することを事業化するものだ。
例えば、大阪ガスによる、自治体からのコールセンター業務請負や、ルフトハンザドイツ航空が手掛ける航空機メンテナンス業務の他航空会社への提供など多数の成功事例がある。自社のバリューチェーンを精査することによって強みを見つめ直すと、新規事業として顧客に新たな価値を提供できる意外なビジネスモデルのヒントが得られるだろう。
さらに4月28日にアマゾンは、企業向け商取引サイト「アマゾン・ビジネス」を発表した。これは1兆ドル(約120兆円)ともいわれる米国の企業間電子商取引(B2B)に参入するもので、オフィスのみならず病院、学校などで必要な商品をオンライン販売するものだ。同社はすでに12年に「アマゾン・サプライ」というサイトで一部開始していたが、今回は200万余社の第三者が販売できる「場」(マーケットプレイス)を構築した。中古本市場と同様に、プラットフォーム戦略を採用したといえよう。
以上のようにアマゾンは、常に顧客第一とした事業展開をしながらも、自社の強みを生かして新規事業創出の定石通りに展開していることがよくわかる。次回以降はその定石について説明していこう。
(文=平野敦士カール/ビジネス・ブレークスルー大学教授、ネットストラテジー代表取締役社長)
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