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25年度、高成長でも赤字1兆円超=基礎財政収支、黒字化は26年度―内閣府試算

記事提供元=時事通信社
国・地方の基礎的財政収支
国・地方の基礎的財政収支

 内閣府は22日、政府の経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)に中長期の経済財政試算を提出した。財政健全化の目安となる国と地方を合わせた基礎的財政収支(PB)は、高い経済成長率が続く想定でも、2025年度は1兆1000億円の赤字。政府は同年度の黒字化目標を維持しているが、実現は難しさを増している。

 岸田首相は会議で、「引き続き財政の持続可能性への信認が失われることがないよう、財政健全化を着実に進める」と述べた。

 PBは国と地方が社会保障や公共事業など政策的経費をどの程度税収などで賄えているかを示す指標。政府は社会保障費などの歳出効率化努力を継続した場合には、25年度の黒字化が視野に入ると説明している。ただ、昨秋も物価高対応の総合経済対策を策定するなど巨額歳出が続く状況だ。

 試算は、黒字化の実現時期について、名目GDP(国内総生産)が3%程度の高い成長が続く「成長実現ケース」で26年度とし、これまでの見通しを維持した。25年度は物価高を背景とした税収増などを見込み、昨年7月時点の試算から赤字幅は2000億円縮小。さらに歳出効率化を続ければ2000億円の黒字が達成可能という。 

 一方で、中長期的に名目で0%台後半の低成長率が続く「ベースラインケース」では、25年度時点で2兆6000億円の赤字で、26年度以降も赤字が拡大していくと試算している。

 内閣府は今回の試算から、昨年12月に決定した「こども未来戦略」に基づく少子化対策の経費を反映。28年度までに年3兆6000億円を確保する財源は、既定予算の活用や歳出削減などで賄う方針で、つなぎとして発行する特例公債もPBの計算には含めない社会保障基金から発行されるため、PBの悪化には影響しないと説明している。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/01/22-11:51)

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