22日の東京株式市場の日経平均株価は、史上最高値で終了した。終値は前日比836円52銭高の3万9098円68銭と、バブル経済ピークの1989年12月29日の大納会に記録した最高値(3万8915円87銭)を34年2カ月ぶりに更新した。日本経済は株価の上では「失われた30年」を乗り越え、新たな局面に入る。
22日の東京市場では米半導体大手エヌビディアの好決算を好感した買いが半導体関連銘柄に入った。日経平均は午後の取引で初の3万9000円台に乗せると、一時3万9156円97銭まで上昇し、89年の大納会で記録した取引時間中の史上最高値も上回った。
日経平均は昨年春の2万8000円台から1年足らずで1万円以上、値上がりした。急ピッチで上昇してきた背景には、東証が昨年3月末に上場企業に対し、株価と資本効率を重視した経営を促す異例の要請を行ったことがある。海外投資家が要請を好感して日本株への投資を積極化し、株高が株高を誘うようになった。コロナ禍からの経済活動回復で日本企業の業績が復調したことも株価の上昇要因となった。
昨秋以降は、人工知能(AI)の利用拡大による関連産業の成長期待から米国株がハイテク銘柄主導で史上最高値を更新する展開となった。これを受け、東京市場でも今年に入って半導体・IT関連銘柄の株価が上げ足を速めた。
89年末にピークを迎えた株価バブルは、日銀による相次ぐ政策金利の引き上げなどをきっかけに90年に崩壊過程に入り、91年には地価も下がり始めた。日本経済のバブル景気はこの年に終わり、後に「失われた30年」と呼ばれる長い停滞期に突入した。
2000年以降はデフレが深刻化し、日銀は長期にわたる金融緩和でデフレ克服に乗り出した。この間、日経平均はリーマン・ショック後の金融危機などを受けて09年3月に7000円台、11年3月の東日本大震災後には8000円台に急落する場面もあった。 (了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/02/22-16:32)