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長期金利が上昇基調をたどっている。14日の東京債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが一時0.965%に上昇(債券価格は下落)し、昨年11月以来、約半年ぶりの高水準を付けた。日銀が前日、国債買い入れを減額したことで債券を売る動きが活発化。市場では日銀が保有国債を本格的に圧縮する「量的引き締め」に早期に動くとの見方が強まっている。
日銀は13日の公開市場操作(オペレーション)で、国債(償還期間5年超10年以下)の買い入れを前回から500億円減額し、4250億円実施した。日銀が4月の金融政策決定会合で、国債購入減額を本格議論していたこともあり、市場に「日銀が保有国債を圧縮する量的引き締めに踏み切る布石ではないか」(国内証券)との観測が浮上。金利上昇圧力が強まった。
国債は売りが強まって価格が下がれば、逆に金利が上昇するという関係にある。長期金利が上昇すると、日米金利差縮小から円安に歯止めがかかりやすくなり、輸入物価の上昇が抑えられる。一方、長期固定型の新規の住宅ローン金利が上昇するなどデメリットもある。
植田和男総裁は今月8日の東京都内での講演で、急速な円安進行について「日本経済にマイナスだ」と強調。その上で、国債買い入れに関しては「今後、大規模緩和からの出口を進めていく中で、減額していくことが適当だ」と語った。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは、「日銀は6月の決定会合で、(月間6兆円の)国債購入方針を減額する可能性がある」と指摘している。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/05/14-17:58)
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