財務省が22日発表した4月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は4625億円の赤字だった。原油価格の上昇や円安などを背景に輸入が4月として過去最大になったことが主な要因で、赤字は2カ月ぶり。
輸入は前年同月比8.3%増の9兆4433億円と、2カ月ぶりに増加した。価格上昇で原油が13.1%増えたほか、液化天然ガス(LNG)も12.5%のプラス。航空機は約4倍と大幅に増えた。対ドルの円相場が前年同月より20円程度円安に振れたことも、輸入額の増加につながった。
輸出も8.3%増の8兆9807億円で、4月として過去最高。米国向けのハイブリッド車を中心に自動車が17.8%増加した。半導体製造装置は中国向けが好調で、28.2%増。台湾向け電子部品の輸出も伸びた。
国別の貿易収支は、対米国が6885億円の黒字で、黒字幅は15カ月ぶりに前年同月から縮小した。対中国は5270億円の赤字だった。
◇4月の貿易統計
輸出額 輸入額 差引額
総 額 89,807 94,433 ▲4,625
( 8.3) ( 8.3) ( ― )
〔主要貿易相手別の内訳〕
中 国 15,871 21,140 ▲5,270
( 9.6) ( 10.8) ( ― )
米 国 18,028 11,143 6,885
( 8.8) ( 29.0)(▲13.2)
E U 8,828 10,060 ▲1,232
(▲2.0) ( 3.3) ( ― )
(注)通関ベース。単位億円、億円未満四捨五入。カッコ内は前年同月比増減率%。▲は赤字または減。―は比較できず(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/05/22-12:02)