日銀が来月1日に発表する9月の全国企業短期経済観測調査(短観)に関する民間シンクタンクなど16社の予測が、24日までに出そろった。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業でおおむね横ばいを見込む。自動車生産や半導体需要の回復による押し上げ期待がある一方、中国をはじめとする海外の景気減速などが重しとなり、足踏み傾向が続くと予想した。
DIは業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」を引いて算出する。
大企業製造業DIの予測平均は、前回の6月短観と同水準のプラス13。認証不正問題で停止されていた自動車生産の再開は好材料だ。ただ、「悪影響は完全に払拭されておらず、全体をけん引するには至らない」(ニッセイ基礎研究所)との見方もある。
大企業非製造業DIの予測平均は、1ポイント悪化のプラス32。インバウンド(訪日客)需要は引き続き堅調だが、8月に宮崎県で最大震度6弱の地震があり、気象庁が南海トラフ地震臨時情報を発表したほか、台風10号が接近・上陸し、「外出の減少で対個人サービス業や宿泊・飲食サービス業が悪化する」(三菱総合研究所)とみられている。
◇9月日銀短観の民間予測
製造業 非製造業
野村証券 15(15) 34(35)
三菱UFJリサーチ&コンサルティング 14(17) 33(30)
第一生命経済研究所 14(14) 35(32)
みずほリサーチ&テクノロジーズ 14(14) 32(34)
三菱総合研究所 14(14) 31(33)
日本総合研究所 14(14) 31(30)
SMBC日興証券 14(12) 33(27)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 13(13) 34(30)
農林中金総合研究所 13(12) 32(29)
明治安田総合研究所 13(12) 31(32)
BNPパリバ証券 12(13) 33(30)
ニッセイ基礎研究所 12(11) 31(33)
みずほ証券 12(11) 29(30)
モルガン・スタンレーMUFG証券 12(10) 31(33)
大和証券 12(9) 30(27)
大和総研 11(11) 29(26)
16社平均 13(13) 32(31)
6月短観実績 13(14) 33(27)
(注)大企業の業況判断DI、カッコ内は先行き、平均は四捨五入
(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/09/24-16:53)