「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/1月24日号)は『円安、低金利に負けない! 今年こそ株・投信』という特集を組んでいる。「2015年は円安、低金利時代が本格的に到来。将来を見据えて資産を増やすなら、まず株式と海外金融商品に注目しよう」という内容だ。
今年の重要テーマは地方創生政策。特集記事『今年も日本株が狙い目』では、「地方の津々浦々にアベノミクスの果実を分け与える」との自民党のスローガンに期待を寄せ、景気上昇が継続するとの見解を示している。
「地方への本社移転企業に対する税制優遇や地方本社採用社員への支援策など、田中角栄元首相の『日本列島改造論』(日刊工業新聞)を彷彿とさせる脱中央集権の試みが面白い。今年は北陸新幹線の延伸開業やリニア中央新幹線の本格着工、北海道新幹線の新青森-新函館北斗間開業(15年度末)などのイベントが予定され、交通政策の面からも『地方の時代』を印象づける」(同記事より)
ただし、東洋経済新報社は、独自取材による今・来期の業績見通しを掲載した『会社四季報 2015年新春号』を出版したばかりだ。特集記事『「会社四季報」でわかった中長期有望の41銘柄』などとあるように、タイアップ的な記事が目立つ。このため、株式市場への悲観的な記事は紹介されていない。
同時期に店頭に並んだ「週刊エコノミスト」(毎日新聞社/1月20日号)の特集も『どうなる 株・投信 2015』だが、「年内2万円超えはあるか 好・悪材料入り交じる市場」として、特集記事『日本経済は本格復活し2万5000円へ』などという日経平均株価(1月28日終値は1万7795円)に対しポジティブな強気派(武者陵司・武者リサーチ代表)のほかに、弱気派の声も紹介している。
特集記事『日本は外国人に見放され1万円割れも』(菊池真、ミョウジョウ・アセット・マネジメント代表取締役)は、「日本株の動向を左右する中長期投資の外国人投資家が、日銀の量的緩和策を『国家財政ファイナンス』(実質的な中央銀行による財政赤字の補填)と見なし、円への信認を失い、円資産(株や不動産などすべての円建て資産)売りに動く可能性があるからだ」「自国通貨を弱体化させて強くなった国はない。現状打破の方策は歳出大幅削減による財政均衡化しかない」(同記事より)という。
●株価高騰&暴落、どちらもあり得る?
また、「週刊現代」(講談社/1月31日号)の記事『全国民必読 日本経済はアベノミクスで壊れた 「株価2万円」「暴落8000円」どっちも本当だ』でも、「今年はこれまでの常識がまったく通用しない、こんなジェットコースター相場が続く可能性が高い。『株価2万円』も『暴落8000円』もありえるという。眩暈のするような非常識相場に直面する一年になりそうなのだ」と述べ、今年の株式市場が大荒れになると予想している。