3歳から芸能活動を続けている芦田愛菜ちゃん(12才)が、慶応義塾中等部と、女子御三家の一つに数えられる女子学院に合格したと報じられている。愛菜ちゃんは、昨年の夏から大手の中学受験予備校に通い始めていたというが、芸能活動を続けながらこの2校に合格するということが、どれだけ“スゴいこと”なのか。『1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)など多くの著作を持つ、教育ジャーナリストの中曽根陽子さんに話を聞いた。
「慶応も女子学院も、最難関校です。普通は皆さん、小学校4年生くらいから塾に通って3年間かけるというのが中学受験の王道。小学6年生の夏から始めたということであれば、すごく集中力を発揮して合格に至ったということで、とても素晴らしいことだと思います」
両校は、それぞれどんな校風なのだろうか。
「大きく分けると『自主性尊重』か『面倒見の良さ』かというのが、学校選びの基準として挙げられると私は考えますが、慶応も女子学院も典型的な自主性尊重の学校です。校則などを特に設けずに、本人たちに考えさせていくという校風です。女子学院はキリスト教の精神を基盤としていますが、とてもユニークで、例えば校則も、校章をつけること、上履きを履くということなど4つだけが決まっていて、制服もなく、そのほかは自由という校風です。つまり、自分で何がよくて何が悪いかを判断していく力を付けさせていくという校風です。慶応の付属校も全体にそうですが、特に中等部は自由闊達で共学の自主性尊重の校風です」
どちらに進学するのが有利?
「慶応に進学するメリットは、慶応義塾大学にほぼ100%行けると保障されている点です。高等部は慶応女子校か湘南藤沢のどちらかを選べますが、立地などいろいろな要素を考えると、女子校に行って大学に進むというコースではないかと思います。愛菜ちゃんが芸能活動をする一方で、ほかに何かしたいことを見つけた場合も、慶応なら理系から文系まですべて揃っている大学ですから、対応はできると思います」
それではやはり、エスカレーター式に大学まで進める慶応に進むほうが有利なのか。
『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』 子どもが成功するには、どう育てればよいの? どんな学校なら、自分らしく生きる力を授けてくれる? 「一流大学卒業→一流企業に就職≠幸せ」という事実に気づいていないお母さん。分かっているけど偏差値主義から抜け出せないお父さん。勉強以外のことは何でもやってあげるお母さん。そんな迷える保護者の皆さんに、社会・教育の現状やグローバル時代に必要な力、親の役割をわかりやすく解説。中学校選びの7つの視点とチェックポイントを提唱し、学校の実例も紹介。 開成中学高等学校(男子御三家)柳沢幸雄校長との対談「グローバル時代を生き抜くために必要な力とは?」を収録。