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「美しすぎる」沢尻エリカの怪演に、ネットが騒然…視聴者の涙腺崩壊させた『母になる』

文=吉川織部/ドラマウォッチー
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 泣きの演技にばかり注目が集まったが、ドラマウォッチャーとしてはナレーションが抜群にうまかったことも挙げておきたい。淡々としながらも何か含みがあることを感じさせ、声の演技だけでドラマの世界にグッと引き込んでくれた。しばらくは、沢尻エリカの美貌と演技を見るだけでも視聴の価値があるドラマといえそうだ。ラスト近くに登場した広役の道枝駿佑の美少年ぶりと、児童福祉司・木野愁平役の中島裕翔のイケメンぶりに注目する人も多く、放映終了後しばらくはTwitterのトレンドに「母になる」「道枝くん」などのキーワードが並んだ。子ども時代の広の台詞にあった「ぎゅーっとなって、きゅーっとなる」「いとしいだよ」といったワードも視聴者の間で流行の兆しをみせている。

「1本の映画のよう」

 その半面、ドラマの世界に引き込まれた視聴者を萎えさせたのが、広の子役のすさまじい棒演技。子役に多少不自然なところがあっても目をつぶるという視聴者も多いだろうが、そのレベルをはるかに超えてきた長台詞の棒読みは、いたたまれなかった。

 ただ、これについては2つの可能性があると思う。ひとつは、古くからある「完璧なものは縁起が悪い」との言い伝えを踏まえて、あえてツッコミどころをつくったという説。もうひとつは、成長した広を演じる道枝駿佑に合わせて子役を選んだらこうなったという説。道枝駿佑の出演シーンはわずかだったが、微妙に棒演技の片鱗が見えた。つまり、広はもともとしゃべり方が棒だったという描写である。

 といわれてもあまり納得できないが。恐らく今後も、広が門倉麻子(小池栄子)に育てられた期間の描写で子役の出演シーンはあると思われる。それだけが気が重い。

 さて、初回はストーリーに数々の謎を残しつつも、誘拐された息子に9年ぶりに再会したというハッピーエンドに終わった。これを受けて、「1本の映画のようだった」「いきなり最終回が来た」「ここで終わっても良さそう」などの感想もちらほら見られた。

 確かに、初回はドラマチックな展開で一応完結しただけに、2話目からのハードルはだいぶ上がりそうだ。テーマ的が若干重いだけに、ここから右上がりに視聴率を上げていくのも難しいだろう。内容的にも視聴率的にも、かなり多難な前途が予想される船出ではある。
(文=吉川織部/ドラマウォッチー)

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