『KUNOICHI』はパルクールの応用でクリア可能?
–『KUNOICHI』での活躍を見た視聴者から、ネット上で「かわいい」と評判になっていますが、ご自身としてはどのような心境でしょうか。
泉ひかりさん(以下、泉) もともと、見た目やファッションには興味がなく、運動するのが好きというだけだったので、まさかそういう反応をされるとは思っていませんでした。変な感じです。
–『KUNOICHI』の出場選手は筋骨隆々な女性たちが多いなか、泉さんのように小柄で細身体型の選手は極めて珍しい存在だと思います。何か身体づくりで意識していることはありますか。
泉 あまり筋肉がついていないように見えるかもしれないですが、実は意外とついているんですよ。パルクールをするなかで「この動きを習得したい」と思ったら、同じ動きを何回も練習しますし、そのうちに筋肉が全身にまんべんなくついてきましたね。
ただ、どういう筋肉をつけたいとか、そういうのは具体的に考えてはいなかったんです。初めて『KUNOICHI』に出場した際に筋力不足を実感してジムに通いましたが、実はそれまではジムでトレーニングはしたことがなかったぐらいです。だから、『KUNOICHI』で32kgのボールを押したり(第1ステージのキャノンボール)、10kg・15kg・20kgの重い壁を持ち上げたり(第2ステージのウォールリフティング)するのは、私にとってすごくキツいですね。
でも私は身体の動かし方やコントロールの仕方を、パルクールを通して学んでいますから、それが『KUNOICHI』のクリアに役立っているのかなと思います。
–次の大会こそ、完全制覇を果たしてくれると期待しています。では逆に、『KUNOICHI』での経験がパルクールをするうえでプラスになることはありますか。
泉 この前の『KUNOICHI』(2017年7月2日放送)で、私が失敗してしまったパイプスライダー(第3ステージ最後の障害)がまさにそうなのですが、パルクールでは自分のチャレンジする障害が動くということを想定しないんです。でも、だからこそ障害がどう動くかを予測するという部分は、パルクールでよりレベルの高いことに挑戦するときに生かせるかもしれません。
–ちなみに、『KUNOICHI』ではほかの出場選手との交流も生まれますか。
泉 はい、みなさん仲よくなりますね。『KUNOICHI』はぶっつけ本番なので、大会当日は前の選手が挑戦している様子を見ながら「あそこはこうしたほうがいい」といった意見を共有し、選手同士で盛り上がるんですよ。
また、大会が終わったあとに「パルクールをやってみたい」と私に声をかけてくださった出場者の方がいて、一緒に練習に行ったこともあります。