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2023.03.03 11:36
2017.07.24 19:30
片田珠美「精神科女医のたわごと」
松居一代さんの状態を精神科医が分析…「ひたすら闘争する好訴者」「見捨てられ不安」の可能性
たとえば、松居さんは動画で独占手記を掲載してくれた「新潮」を「救世主」と絶賛する趣旨の発言をしているが、こうした蜜月関係がいつまでも続くとは思えない。20日放送の『ビビット』(TBS系)で、演出家のテリー伊藤さんは「もうちょっと冷静になってくると、ちゃんとした出版社だから、これはいくらなんでも違う、これはダメだろうってことを今後、精査していくんで、そこでまた松居さんが週刊新潮に裏切られたって言うかもしれない」と推測したが、その通りの展開になる可能性が高いと筆者は考える。
現在、松居さんが「新潮」を絶賛している一因に、「約束を守ってくれなかった。私を裏切った」と告発している「週刊文春」(文藝春秋)の敵とみなしていることがあるように思われる。「敵の敵は味方」という論理で「新潮」を味方とみなし、理想化しているのかもしれないが、そのうちこきおろすようになるのではないだろうか。
「好訴者」になる可能性
このように見捨てられ不安が強く、理想化とこきおろしの間を揺れ動く人は、次第に孤立する。それまでは仲の良かった人を突然敵とみなし、攻撃するようになるのだから、当然だ。そのため、周囲から味方がいなくなり、ますます孤独感にさいなまれる。
こうした状況で、侮辱されたとか、権利を侵害されたとか主張して、その後の人生の全精力を闘争と訴訟に捧げるようになることがある。独善的な正義感に基づいて、ひたすら告発、闘争、訴訟などを展開するわけで、そういう人物を精神医学では「好訴者」と呼ぶ。
離婚問題について「最高裁まで争う」と宣言し、動画やブログで告発を繰り返している松居さんは、「好訴者」への道をひた走りつつあるのではないかと危惧する次第である。
(文=片田珠美/精神科医)
【参考文献】
シェイクスピア『オセロウ』菅泰男訳、岩波文庫
セネカ『怒りについて 他二篇』兼利琢也訳、岩波文庫
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