TBSが頭を抱えているという。大みそかの『NHK紅白歌合戦』の裏で放送する『KYOKUGEN』が最大の危機を迎えているからだ。
かつて、TBSでは『紅白』の裏で、格闘技中継『Dynamite!!』をオンエアしていたが、同イベント終了に伴い、2011年大みそかに、ビートたけしと爆笑問題がMCを務める、スポーツバラエティ番組『ビートたけしの勝手にスポーツ国民栄誉SHOW』を放送。その枠内で、ボクシング・井岡一翔の試合を中継した。翌12年からは、『KYOKUGEN』と改題し、毎年井岡の試合を放送し続けてきた。
今年も井岡は大みそかに、アルテム・ダラキアンとのWBA世界フライ級王座のV6戦を予定していた。ところが、井岡が11月9日付で同王座を返上し、試合自体もキャンセルになったことが判明したのだ。6年連続、大みそか特番で井岡の試合を中継してきたTBSにとっては大打撃。番組の“目玉”を失い、頭を抱えることになった。
この緊急事態にTBSは、東京・大田区総合体育館で行われる、木村翔vs.五十嵐俊幸のWBO世界フライ級王座戦、田口良一vs.ミラン・メリンドのWBA&IBF世界ライトフライ級王座統一戦、京口紘人vs.カルロス・ブイトラゴのIBF世界ミニマム級王座戦を中継することを決めた。
同興行はワタナベジムが主催するもので、田口と京口は同ジム所属選手。これまで、同ジムはテレビ東京と連携し、先に引退を表明した前WBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志の試合を軸に、大みそかに6年連続でボクシング中継をしてきた。田口は、その舞台で3年連続、世界タイトルマッチを戦ってきた。
「これまでの流れから、本来なら、このトリプル世界戦はテレ東が中継すべきものです。ところが、井岡の試合が消滅したTBSが“強奪”したとみていいでしょう。これによって、恒例となっていたテレ東の大みそかのボクシング中継はなくなりました。井岡問題がテレ東にまで影響を与えたかたちで、テレ東は怒り心頭と聞いています。とはいえ、内山というスターがいなくなって、ほかの選手では一般的なネームバリューがなさすぎます。3試合まとめても、注目度という点で、とても井岡の試合には及びもつきません。正直に言って、今年の『KYOKUGEN』のボクシング中継の視聴率は期待できません」(スポーツ紙記者)