3月31日をもってジャニーズ事務所を退所した長瀬智也。TOKIOのメインボーカルとして、また、主役を張れるジャニーズ俳優として長らく第一線で活躍してきた彼も、ドラマ『俺の家の話』(TBS系)を最後に、表舞台から引退。今後は「映像作品や音楽制作を中心に裏方として活動していく」ことを明言している。
ジャニーズに詳しいあるスポーツ紙の芸能担当はこう語る。
「盟友関係にある宮藤官九郎さんの作品で有終の美を飾ることができて、長瀬くんは感無量だったでしょうね。今回の『俺の家の話』は親の介護がテーマであり、つまりは“最期”をテーマに3カ月にわたって描いた作品だったということ。最終回は誰もが予測できない展開でしたが、人の“最期”と長瀬智也という役者の“最期”を巧みに描き、誰もが長瀬くん演じる寿一と長瀬ご本人とがオーバーラップして見えたのではないかと思います。それぐらい、宮藤さんの今作の脚本は見事すぎて、ちょっと異次元なレベルの仕上がりだと思いました。
長瀬くんはキムタク(木村拓哉)ほどコンスタントに連ドラに出演し続けるというわけではなかったですが、『池袋ウエストゲートパーク』(2000年、TBS系)に代表される宮藤官九郎作品を中心に、コメディからシリアスまで全力でやりきれる人。まだ42歳なので、これからより面白い役者に化けていくはずだったのに……。今回の表舞台からの引退は、本当に残念でなりません」
「5人のシルエット」に長瀬智也は、「いいじゃん、どうせ5人なんだから」と発言
3月28日、TOKIOの看板番組である『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)に長瀬が最後の出演を果たした際、TOKIOのシルエットが4人ではなく5人で投影される場面があった。番組中ではそれを見た長瀬が「いいじゃん、どうせ5人なんだから」と発言し、大きな話題に。この長寿番組からも引退する長瀬のラストにふさわしい名シーンだったといえよう。
「確かにあれは感動的でしたよね。元メンバーの山口(達也)くんが“再合流”するときには長瀬くんも戻ってくる……という意味合いを含んだ、非常に感動的なシーンでした。
ジャニーズ事務所に残る3人(城島茂、国分太一、松岡昌宏)は『株式会社TOKIO』を設立しましたが、発表されている業務内容としては、タレントのマネジメントやイベント・コンサートの運営が中心。つまり、ミソギを終えてジャニーズ事務所サイドの許可が出れば、山口くんが株式会社TOKIOの所属になることは十分にあり得る話なんです。城島くんをはじめ、松岡くんも太一くんも大変義理堅い人なので、絶対に山口くんのことを見捨てないと思いますよ。
2024年にTOKIOは結成30周年を迎えるので、そこで5人で再びステージに立つ……ということが最終目標なのでしょう。なので、3人になってもレギュラー番組は続けるし、『ザ!鉄腕!DASH!!』もいまや後輩ジャニーズたちがグループの垣根を越えていろんなチャンスをつかむための場として機能する番組に成長していますから、ジャニーズ事務所としても、彼らの活動や熱い思いを邪魔する気など毛頭ないはずです」(前出のスポーツ紙記者)
「長瀬智也が監督で宮藤官九郎が脚本」というプロジェクトは今後あり得る
となると、気になるのは長瀬本人の今後だが……。ジャニーズに近いある芸能関係者はこう明かす。
「長瀬くんは根がヒッピー体質というか、バイクに乗っていろんなところに旅したいようなタイプ。それが、品行方正を求められるジャニーズ事務所に所属して長らく縛られてきたわけですから、とにかく自由になりたかったんですよ。
あと、(宮藤官九郎が所属する)大人計画に所属するとのニュースも出ましたが、あれは完全にデマ。でも宮藤さんとの信頼関係は非常に強いものがあるのは事実ですから、長瀬くんが監督で宮藤さんが脚本……なんていうプロジェクトは今後あるかもしれない。実際、すでにいくつかの映像プロジェクトを長瀬くんが動かしているという話もあるので、なんらかの形で彼が映像作家としてデビューするのはほぼ間違いないでしょう。
それと、やはり“アーティスト”として研鑽を積みたいという思いも強いのでは。TOKIOは結局、1994年のデビュー曲『LOVE YOU ONLY』が一番売れたシングルで、四半世紀も活動していてそれを超えることができなかった。2018年に山口くんが脱退してからはライブ活動もできず、それが長瀬くんにとってはもっともストレスとプレッシャーになっていたのでしょう。
なので、今後は長瀬くんは、裏方に回って作曲を追究し、『LOVE YOU ONLY』をセールス的に超えるものをつくろうという意思が非常に強い。2024年のTOKIO30周年に“進化”して戻ってこれるよう、自由にそして堅実に努力を重ねるのではないかと思いますね」
ジャニーズ事務所の看板俳優として、TOKIOのメインボーカルとして、いち時代を築き上げた長瀬智也。いまなお「裏方に専念するには惜しすぎる男」といわれる彼が再びステージに戻ってくる日は来るのか、楽しみに待ちたい。
(文=藤原三星)