その後、ショーを見に来ていた鯉淵修(工藤阿須加)は月海たちに差し入れの飲み物を渡そうとするのだが、そこには蔵之介にキスされている月海の姿が。「本当は不安だった」という月海の言葉に思わず蔵之介がキスをしてしまった瞬間を、目撃してしまうのだった。
このまさかの2人のキスシーンに、視聴者は「美しいキスシーンにやられた!」「も~ドキドキが止まらない!」「びっくりしすぎて声が出た!」と大興奮。ショーの最中、修と見つめあう月海を見つけて「月海! 俺を見ろ!」と放った男らしい蔵之介のセリフにも、「すごくかっこよかった!」「蔵之介のセリフが最後まで良すぎて、何度もリピートした!」という人が続出。最初から月海をめぐる三角関係がテーマのドラマではあったが、オタク女子がわんさか出てくるコメディチックな話のなか、突然訪れた“王道のキスシーン”に同作品の面白さを改めて感じ、引き込まれたという人が多かったようだ。
魅力的な出演陣
また、これからも登場するのかはわからないが、ノムさん役の安達祐実にも「存在感はさすが!」「本物のお人形さんみたい」「『どぅふぅ~』に笑った」と絶賛の声多数。ひいては、この回の主人公でもあったまやや役を演じた内田理央にも、「演技上手い!」「この人がキャストに選ばれた理由に納得した」と高評価を得ていた。
同作品はゴリ押しや人気だけで選ばれているキャストは少なく、どちらかといえば演技派のキャストばかり。若手演技派女優として群を抜いている芳根をはじめ、演技が下手な人がいないため、視聴者に変な違和感を与えることなくスムーズにドラマの世界へと導いてくれるのが『海月姫』の魅力だ。
さらに次回は、新たな登場人物として江口のり子が「関西弁を話すインド人」役で登場。江口といえば、これまでも脇役でドラマ出演しているものの注目されたのは16年の『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ)の真面目な校閲者を演じてからだろう。今では、重要な役を任されるようになってきた名バイプレイヤーだ。しかも、毎回「同じ人?」というくらいまったく違う雰囲気で登場してくるため、今回の“インド人”役も楽しみで仕方がない。
ドラマの脚本もよし、キャストもよし、演技力もまったくもって問題なしと、どこをとっても合格点の『海月姫』。さらにいえば、視聴者からの評価もうなぎ登りと申し分ない出来栄えで、「おもしろくないと思っていたけど、おもしろかった!」という声がほとんど。それにもかかわらず、視聴率が下がってしまうのはなぜだろう? やはり、それほどまでに月9は嫌われているということなのだろうか。
(文=絢友ヨシカ/ライター)