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『アタル』に失望続出…「遊川和彦がこんな予定調和丸出し」「本当に遊川が書いてるのか」

文=吉川織部/ドラマウォッチャー

 杉咲花が主演を務める連続ドラマ『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)の第4話が7日に放送され、平均視聴率は前回より0.3ポイント増の10.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。10%台は3週連続で、安定して支持されていることがわかる。

 このドラマは、あらゆるものが見える能力を持つ派遣社員・的場中(まとば あたる/杉咲花)が、その能力を駆使して周りの正社員たちが抱える悩みを解決していくお仕事コメディードラマ。『家政婦のミタ』『過保護のカホコ』(ともに日本テレビ系)などを手掛けた人気脚本家・遊川和彦が脚本と演出を担当する。

 基本的なパターンは、アタルが社員の悩みを毎回1人ずつ解決していくというもの。第4話は、彼女が働くチームの中堅社員・上野誠治(小澤征悦)のケースを描いた。この上野、「伝説のイベント」と語り継がれる仕事を10年前に手掛けて一度は役職に就いたものの、力量不足で降ろされたという過去を持つ人物。当然「会社や周囲の人間はオレのすごさをわかっていない」と不満たらたらで、自慢話と会社への愚痴、そして部下へのパワハラめいた言動で構成されているような男だ。

 言うなればゲームの「中ボス」的存在で、この気難しい難敵をアタルがどう攻略するかがこのドラマにおいて最初の山場になるのではないかと考察する視聴者も少なくなかった。

 ドラマ本編は、上野がスコップで穴を掘るシーンから始まった。しかも、夜の森の中。人気のない場所で黙々と穴を掘り続ける様子は、さながら死体を隠そうとする殺人犯のようだ。おっ、何やら今までとは違う幕開けだぞ、今回はサスペンス風の演出か、と思ったのもつかの間、ただの夢であったことが明らかに。なんだその無駄な演出は。

 ストーリー自体は、いつも通り。自分は誰にも必要とされていないと感じて打ちひしがれた上野がアタルからガツンとお説教をくらい、心を入れ替えて周囲と仲良くやっていくことを学んだ――というもの。アタルが当たり前のことしか言わないのも、当初は占ってもらうのを拒否した上野が舌の根も乾かぬうちに「占ってほしい」とすがりつくのも、まったくいつも通り。

「気難しい上野がなぜ占いに頼ろうと思ったか」の過程を描くことで話に変化を持たせるのだろうと予想していただけに、大いに肩透かしを食らった。とはいえ、それぞれ問題を抱えた社員が毎週1人ずつ浄化されていき、チームの雰囲気がどんどんよくなるという展開そのものは気持ちがよい。展開がパターン化されているのも、裏を返せば“ながら見”程度でも話についていけるため、「視聴者に優しい」ともいえるだろう。

 その一方で、ドラマファンからは「遊川和彦もこんな予定調和丸出しの話を書くようになったんだな」「あまりにもクセがなくて、本当に遊川が書いてるのか疑っちゃうレベル」といった声も上がっている。普通のドラマを書いたら「物足りない」と言われるのは、実績のある遊川和彦ならでは。終盤でのあっと驚く展開を期待している人も少なくないはず。あと2、3話は我慢して、お決まりのストーリーを視聴しなければならないだろうか。
(文=吉川織部/ドラマウォッチャー)

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