参院選(6月22日公示、7月10日投開票)で暴露系YouTuberの「ガーシー」こと東谷義和を擁立するNHK党の立花孝志党首が、テレビの党首討論で早くも大暴れしている。生放送中に“強制退場”させられる異例の一幕もあり、さまざまな意味で話題を集めているようだ。
立花党首は、16日に放送された『報道ステーション』(テレビ朝日系)の参院選党首討論に生出演。事前にTwitterで「綾野剛の淫行について言及する予定です」と宣言したことで、局内は厳戒態勢のピリピリムードになっていたという。
党首討論は「安全保障」をテーマに各党首が見解を発表していく流れだったが、別室からリモートで登場した立花党首は「テレビをご覧の皆さん、テレビは核兵器に勝る武器です。テレビは国民を洗脳する装置です。テレビは国民が知るべき真実を隠しています」と訴え、スタジオの空気が凍りついた。
大越健介キャスターが「今の発言は討論のテーマに沿ったものとは認められません」と注意すると、立花党首は事前に番組プロデューサーから「テーマを逸脱する発言をした場合はスタジオから追い出すと言われた」といった趣旨のことを暴露。立花党首が「追い出される前に自ら……」などと話を続けようとすると、大越キャスターが「その発言は認められませんので、打ち切らせていただきます」と告げ、そのまま強制終了。その後、立花党首が映っていた画面は無人になっていた。
放送後、立花党首は自身のYouTubeチャンネルで「テレビ朝日からの圧力」と題したライブ配信を実施している。
TBSで「淫行疑惑」に言及も…カットされた?
同日、立花党首は『news23』(TBS系)の党首討論会にも登場。こちらは録画出演だったようだが、立花党首は物価高対策として「政治を抜本的に改革、革命していかないといけない」とした上で、やや強引に「今の政治、最も影響があるのがテレビによる情報操作」などと切り出した。
続けて「テレビは俳優の悪行を調査もせず、なんとその俳優を主人公とする連続ドラマを放送しようとしているテレビ局があるんです」とTBSを皮肉りつつ、「その俳優の所属事務所社長が官房副長官に直接会っている写真がネット上にあります。その俳優の名前は言えません。国民の皆さん、権力者はテレビをコントロールしています。テレビは真実を隠蔽します。ぜひYouTubeをご覧ください」と訴えた。
この俳優が綾野剛のことなのは明白で、NHK党から参院選に出馬する東谷が綾野の「未成年女性との淫行疑惑」などを暴露している。東谷は綾野が主演するTBS系ドラマ『オールドルーキー』(6月26日スタート)の放送にも異議を唱えており、立花党首がその主張をTBSでぶちまけた格好だ。
放送後、立花党首はYouTube上で「発言の一部分がカットされていた」と告白。立花党首によると、先述のコメントに加えて「現在、ある俳優が当時17歳のアイドルにお酒を飲ませて泥酔させ、そのままホテルに連れ込み肉体関係を持った、いわゆる『淫行』をしたとYouTubeで配信されています」と発言したはずだったが、その部分が消されていたという。
立花党首は「もちろん、この俳優の名前は綾野剛です!」とはっきり宣言した上で、淫行疑惑への言及について「YouTubeで言えるのに、なぜテレビだとカットするのか」と疑問を呈した。
政見放送は「綾野剛の名前をバシバシ出す」
さらに、立花党首は「党首討論だとテレビ局に編集権があるが、政見放送になると違ってくる」と指摘。「政見放送には綾野剛の名前がバシバシ出てきますので、ご期待いただきたいと思います」と視聴者に呼びかけている。
ただ、政見放送は原則的に放送局側が編集できないものの、公職選挙法第150条の2で「政見放送としての品位を損なう言動をしてはならない」と規定され、その例の一つに「他人若しくは他の政党その他の政治団体の名誉を傷つける」という行為があげられている。過去には、放送禁止用語などが原因で音声が削除された事例があった。
綾野に対する暴露はどのような扱いになるのか、そうした意味でもNHK党の政見放送は大きな注目を集めそうだ。