かまいたち山内健司が、我が家の愛する猫たちを撮影した写真集『ねこうちさん 猫と山内と時々犬』(小社刊)が話題を呼んでいる。公開中の映画『バズ・ライトイヤー』では猫型ロボット・ソックスの声優をつとめ、“猫”づいている山内だが、はたしてその猫愛の深さはどんなものなのか? 同書所収のインタビューから、その一部を抜粋公開する。
猫のいない暮らしは、もう考えられない
──いま一緒に暮らしている5匹の猫ちゃんの特徴を教えてください。
山内 全匹オスで、のび太は一緒に暮らすモカ、チャイ、ガブのお父さん。嫁の実家にはのび太の奥さんと、兄弟が3匹います。のび太って名前は『ドラえもん』から付けたみたいで、性格的にボーッとしてるとかそんな理由だったと思います。どっしりしていて優しくて、家族がケンカっぽい雰囲気になったり、猫同士が威嚇し合ったりしたら近くまで来て止めるような動きをする、リーダー的な存在ですね。
で、チャイとモカは飲み物の名前から付けたみたいで。ガブも最初は飲み物の名前にしようとしてたらしいんですけど、ガブガブ食べるから、そう付けたと聞いてます。モカはいちばん人懐っこい。常にリビングのダイニングテーブルの上に乗っていて、僕らがご飯を食べるときも退かない。おかずの真ん中にいます。チャイは声が高くて、おしゃべり。いちばんビビりで、引っ越したときは2日間くらい洗濯機の下から出てきませんでした。いまだに僕の顔を見て逃げようかどうしようか迷ってるときもあって……あれ、どういうことなんやろ? 1回も嫌がることはしてないはずなのに、常にビビってますね。
で、何を考えてるのか、いちばんわからないのがガブ。いつもビックリしたような顔をしていて、呼んでも喜んで近寄ってはこないのに、僕が寝てるところに近寄ってきて喉をめちゃくちゃ鳴らしたり、大量のよだれをどぼどぼ落としたりする。どういう気持ちでそうやってるんやろ? いちばん思考が読めないですね。
──にゃんじくんは、パートナーとの結婚を記念して迎え入れられたそうですね。
山内 そうです。嫁が、僕に似てる気がするって言いだして。猫の健司=にゃんじらしいです。出会ったとき、抱っこしたらぐるぐると喉を鳴らしていたのに、最近は嫌なのか、抱っこの時間が短くなってきました。5匹の中でいちばんご飯が好き。エサをお皿に入れる音がすると、遠くにいても近くにグッと寄ってきます。
──長毛種と一緒に暮らしてみて感じたことは?
山内 とにかく抜け毛が大変! どんだけ抜けるねんって思うくらい抜けるので、家のいろんな箇所にコロコロを置いてますし、ルンバ4台とブラーバ1台、フル稼働してます。紺とか黒とか、毛がつくと目立つ色の洋服は、一切着られなくなりました。性格は、年齢もあるのかもしれないですけど、落ち着いていてゆったりとしてますね。
──山内さんは普段どんなお世話をされてるんですか?
山内 トイレ掃除とご飯の用意ですね。家に帰ったら1匹ずつタッチしますし、少しでも体調が悪くなったらすぐ病院へ連れていきます。あと、以前飼っていた子が、お風呂の縁を歩いてて滑って(お湯の中に)ザバーンと落ちてしまったことがあったんですよ。で、タオルで拭いてた嫁に「この子、こんなに体細かったっけ? 絶対痩せてるから病院へ行ったほうがいいと思う」って言われて、翌朝すぐ連れて行ったら末期の腎不全だと言われて。そこから3~4カ月で死んでしまいました。その子が2匹目の子がお風呂に落ちて気づかせてくれた教訓を生かして、毎日抱いて異常がないか、感覚的に重さを測るようにもなりました。寝ているといつも隣か枕の近くにいるので、そこでも触れ合うようにしてますね。
──猫の知識が豊富だなと感じます。勉強されたんですか?
山内 嫁が医者並みに知識が豊富なので教えてくれますし、違和感があるとすぐ気づいてくれるんです。「トイレの仕方がおかしい」って言うから病院へ行って尿路結石だったときは、先生に絶賛されました。もちろん病院の先生から教えてもらうこともあります。一度、モカが泡を吹いて倒れたこともあって。急速に腎不全が進んでいると診断されたんですけど、そこが最先端医療を取り入れた病院で、治験段階の治療を2週間に1回受けだしたら数値が元通りに。学会に発表してもいいくらいの成果が出てるんですよ。
──猫と暮らしていて、いいなと思うところは?
山内 自由に幸せそうに暮らしているところですかね。犬のスーパーハイテンションな感じもすごくいいんですけど、猫の我関せずな感じのほうが自分っぽいなぁと思います。猫のいない暮らしは、もう考えられないかもしれないですね。
──『ねこうちさん 猫と山内と時々犬』では、今回、保護猫施設での撮影もありました。しましたが、保護猫にも興味はありますか?
山内 もちろんあります。ただ、今はキャパを超えてしまってすぐに飼うことができないので、(施設へ)物資を送ったり寄付をしたりしてますね。最近はSNSに欲しいものリストを上げているところもありますし、(保護猫支援の)ふるさと納税に参加したり、金にものを言わせてます(笑)。嫁とは「ゆくゆくは自分たちで猫を保護できる団体を立ち上げられたらいいね」って、いつも話していますね。今飼っている猫たちも今後、病気になりやすい年齢になっていくので、今まで以上に注意していきたい。腎臓の薬の開発も進んでいるので、完成するまで生きていてほしいです。
(文=高本亜紀/写真=石原さくら)
※この記事は、日刊サイゾーより転載したものです。
●山内健司(やまうち・けんじ)
1981年1月17日、島根県生まれ。お笑い芸人。2004年、NSCの同期・濱家隆一と「鎌鼬」結成、のちに「かまいたち」に改名。2017年「キングオブコント」優勝、2019年「M-1グランプリ」2位。レギュラー番組を多数抱える中、コンビでのYouTube「かまいたちチャンネル」に加え、「ニャンチューバーねこうちさんの部屋」も運営中。
●『ねこうちさん 猫と山内と時々犬』
著者:山内健司とその妻とその子供とその猫
定価:1200円(税別)
ISBN:978-4-86625-159-2
仕様:A5判並製96ページ オールカラー
発売:株式会社サイゾー
【中身をちょっと紹介】
【特典①】
楽天、セブンネット、全国の主要書店の一部にて、山内さん直筆イラストステッカー付き数量限定特別版を発売。ネット書店3社及びリアル書店でデザインはそれぞれ異なり、計3パターン(amazonでの限定特別版は売り切れました/対象特典は、右から2番目のステッカー)。
●セブンネット
https://7net.omni7.jp/detail/1107313934
●楽天
https://books.rakuten.co.jp/rb/17204351/
●リアル書店一覧
https://cyzo.co.jp/2216-2/
【特典②】
サイゾーブックストアにて、直筆イラストてぬぐい付き特別版を販売。
https://cyzobook.official.ec/