今日は常識君からの、これからの季節によくある質問です。
「インフルエンザの予防接種はコスパが良いのか?」
コスパとはコストパフォーマンスのことですね。価格に比べて有効性がどうかという質問ですね。
まず、価格です。市町村によっては65歳以上の方の接種を公費負担で行っているところがあります。また、市町村が独自の助成事業を行っている自治体もあります。65歳以上は、予防接種法に基づく定期インフルエンザ予防接種の対象者なのです。60歳以上で身体障害者1級に相当するような方も、定期インフルエンザ予防接種の対象者です。該当する方はお住まいの地域の保健所や医療機関に問い合わせてください。ちなみに、那須塩原市では65歳以上は無料です(一定の条件を満たす場合)。無料であればコストパフォーマンスは通常良いということになりますね。
「通常」と言ったのは、「インフルエンザの予防接種が有効であれば」という大前提があるからです。多くの方は、インフルエンザの予防接種を受けるとインフルエンザにかからないと思っています。ところが、予防接種をする医療サイドはそうは説明していません。インフルエンザに罹ったときに重症化しないために接種するのですよ、と説明します。そして厚生労働省のHPにも「インフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありませんが、ある程度の発病を阻止する効果があり、またたとえかかっても症状が重くなることを阻止する効果があります。ただし、この効果も100%ではないことに御留意ください」とあります。
金額の目安
費用の話に戻ります。公的補助の類に該当しないときは、ワクチン接種費用はすべて自己負担です。つまり、医療機関の価格設定は自由なのです。医療機関はワクチンを扱っている医療卸業者からワクチンを購入し、そしてそれに利益を乗せて接種しています。ですから、インフルエンザワクチンの価格も3000円から6000円ぐらいの幅があるのです。自由設定にて、その幅よりも安いことも、また高いこともあっていいのです。
つまり、コスパを考えるのであれば、まず安い医療機関を探すことが最優先事項になります。そして適正な金額はいくらかということです。東京都では、65歳以上の方が接種を受けるときは助成額が2672円で、自己負担額が2500円、よって5172円が医療機関の収入となります。その金額がひとつの目安になるかと思います。
しかし、「安いと効果が低いのではないか?」という疑問も生じそうです。確かにワクチンの製造業者も数社あるのですが、どこの製造業者のワクチンを打っているかをしっかり謳っている医療機関はほぼありません。幸い製造業者によってワクチンの有効性に差があるという報告は多くはないので、あまりメーカーのことは医療サイドも気にしていません。