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新見正則「医療の極論、常識、非常識」

インフルエンザ予防接種、効果はお粗末?価格に比べて有効性はどうなのか?

文=新見正則/医学博士、医師

漢方薬も有効

 そして、インフルエンザワクチンは毎年の接種が推奨されています。そもそもワクチンとは、天然痘のように一回の接種で終生免疫が得られるものが最良です。天然痘に対するワクチンは種痘といわれますが、その効果は絶大で、なんと死亡率が40%に上る天然痘を撲滅してしまいました。種痘に比べるとインフルエンザワクチンの効果はお粗末としかいえません。

 インフルエンザにかかっても、最近は抗インフルエンザ薬もあります。また、麻黄湯という漢方薬もインフルエンザの初期には筆者は有効と考えています。あえて非常識君的な発言をすれば、「インフルエンザにあえて感染して、そして自力でインフルエンザを退治することが最も有効な免疫をつくる方法だ」となります。

 でも、それはちょっと勇気がいりますね。インフルエンザの注射で因果関係が否定できない死亡例は毎年1例ぐらいあります。毎年数千万人が接種をしている中でわずか1例の疑い症例ですから、ほぼ安全な予防接種と考えられます。そうなると、有効性が重症化の防止ということであれば、やはり金額との相談でコスパが決まりそうですね。

 ちなみに接種後2週間から有効となり、数カ月有効期間が続くとされています。インフルエンザの流行が通常は12月から3月で、ピークは1月から2月ですから、インフルエンザワクチンを接種するのであれば、12月初旬頃までには済ませましょう。
(文=新見正則/医学博士、医師)

新見正則/医師、新見正則医院院長

新見正則/医師、新見正則医院院長

外科専門医 /消化器病専門医 /消化器外科専門医 /消化器内視鏡専門医
慶應義塾大学医学部卒業後、外科医として研鑽を積む。大学病院や関連病院で診療にあたるほか、英・オックスフォード大学にて博士課程を修了。
新見正則医院 公式サイト

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