テレビ、雑誌、ウェブなどの各メディアにとって、今や最強コンテンツになっている「ダイエット」。定期的に「○○ダイエット」「○○でやせる!」の文字が躍り、その効果が検証されている。それだけ、視聴者や読者の関心が高いということだろう。
一方、本当に効果があるのか疑わしかったり、健康に悪影響を及ぼしそうなダイエット法まで紹介されているのも事実だ。
そこで今回、管理栄養士のAさんに「正直、あまりおすすめできないダイエット法」について聞いた。誰もが知るものから、あまりなじみがないものまで、その功罪を見ていきたい。
糖質制限ダイエット
体重増加に悩む人たちの間で、今もっとも支持されているといわれるのが、「糖質制限ダイエット」だ。しかし、Aさんによれば、「夕食時などに少し糖質を減らしたり、普段摂りすぎている人が減らす分にはいいが、完全に糖質を抜くのは感心できない」という。
特に、糖質制限をしている人の中には「肉ばかり食べていればいい」という考えもあるが、「ご飯を一切食べずに肉ばかり」となると、動物性脂質の摂りすぎによるコレステロール値の上昇を招き、動脈硬化の原因にもなる。また、肉類を消化する際は胃腸に負担がかかるため、内臓疲労にもつながりやすいという。極端な糖質制限ダイエットは、むしろ非常に危険な結果を招くといえる。
バナナダイエット(単品ダイエット)
手軽に始められるダイエット法として、「バナナダイエット」は人気が高い。朝あるいは夜にバナナのみを食べることで簡単にやせられるというものだが、Aさんによると、「この方法も非常に危険」という。
それまで全体的に食べすぎだった人が、ある食材のみを摂取することでダイエットに成功したとしても、食べたいものを我慢する分、結果としてリバウンドにつながりやすくなるからだ。また、若い女性の場合は、栄養が偏ることで生理が止まってしまう恐れもあるそうだ。
チョコレートダイエット
主成分であるカカオの抗酸化作用や食物繊維を利用して、食前に食べることで満腹中枢を刺激し、適量の食事で満足感が得られるようになるという「チョコレートダイエット」。
しかし、このダイエットはカカオ含有量70%以上のチョコでなければ意味がなく、カカオ含有量の少ないチョコでは血糖値が上がりすぎ、糖尿病の原因になるリスクがあるという。
また、チョコはカカオバターという脂質も多く含んでいるため、せっかくバランスの良い食事を摂っていたとしても、脂質の摂りすぎになってしまうケースも少なくないようだ。