4月に入り、進学や就職先が決まった大学生や新入社員が一人暮らしのための家具を買いそろえる時期になった。まずは生活に欠かせない冷蔵庫、洗濯機、ベッドなどを買い、余裕が出てきてから電子レンジや暖房器具などを買うという人も少なくはないはず。そこで今回は、安く簡単に家具を買い揃えられる掲示板型アプリ「ジモティー」を紹介しよう。
ジモティーは、手数料無料で簡単に不用品を譲ったり欲しいものを見つけたりできる掲示板型アプリである。月間の利用者数は約400万人で、2011年から本格スタートしている。オプトグループ関連企業で、株式会社ジモティー(東京・渋谷区)が運営している。
家具だけではなく中古車やアルバイト募集、さまざまなグループのメンバー募集など幅広く取り扱っている。そもそもジモティーというのは、若者の言葉で「地元の人」つまり「その土地に住んでいる人」という意味があるらしい。その名のようにジモティーでは、物品の受け取りは直接会っての手渡しを基本とするなど、地元の人同士でやり取りをすることを主としている。
ジモティーには、ネット通販とは大きく異なるところが3つある。
まず1つ目は、安さである。前述の通り手渡しが基本の掲示板アプリなので、送料や手数料がかからない。また、売るほどではないけれど捨てるのにはもったいない「あげます」サービスでは、欲しいものがタダで手に入り、売り手側からすると処分するのにかかるお金が節約できる。
2つ目は、簡単にできる点である。登録も従来の通販に比べて格段に簡単にできる。
3つ目は、返品がほぼない点である。会って直接受け取るので、現物を見て購入するかどうかを決められるので返品の手間もない。しかし、直接会うことによる危険性、被害も十分に考えられるので、事前に相手を確認するなどして、自分の個人情報保護に注意することが必要である。できれば身分証明書の「認証マーク」のある人から買うなどしたほうが安全だ。
なぜ、ジモティーはお客の心をつかんだのか
もともとこのような「売ります・あげます」の構造は、昔から友達や知人同士では頻繁に行われている行為である。「ちょっと使わなくなったんだけど、いる?」というようなよく見られるやり取りと構造は同じだ。友達という狭いコミュニティのなかでは、需要と供給が一致しないことも多い。思い出の詰まったものを捨てるのはもったいないし、テレビなどの大きな電化製品は費用や手間がかかり大変だ。つまりジモティーは、「売るほどではないが捨てるにはもったいないものを紹介したい」というお客の潜在ニーズをつかんだのだ。