レンタカー、借りる&返す時の「あの最大の疑問」の謎と答えが判明!満タンで返さなくてよい?
–では、戻ってきたらそのまま次に貸し出すということですね。
担当者 そうですね。スタッフが再度ガソリンスタンドに自動車を持ち込んで満タンにしても、店舗へ戻ってくるまでに同じように減ってしまいます。
–それぞれの店舗で、ガソリンスタンドを指定してはいないですよね。
担当者 多くのお客様の声をお聞きしまして、ひとつのスタンドに指定されてしまうと、帰り道が逆方向だった場合などに不便だということで、特に指定はしていないのが現状です。
–店舗から遠い場所にしかガソリンスタンドがなかった場合はどうするのでしょうか。
担当者 店舗の近くにガソリンスタンドがなければ、どのお客様でも同じ条件ですので、そこで給油していただければ結構です。ただ、だいたい近くにあると思います。もし店舗から20km、30kmと離れた場所で給油された場合は、店舗に戻られた際にその分を加味して精算し、スタッフが近場のスタンドで入れ直すのが一般的です。
–それは、何km以内であれば許容されるといったルールはあるのですか?
担当者 営業所の立地条件によって異なってくると思います。店舗から5~6km離れたところにしかガソリンスタンドがない可能性もあるので、そのような場合は、その5~6kmが許容範囲になるでしょう。
–ガソリンの減り具合は、具体的にどのように確認しているのでしょうか。
担当者 レシートを確認させていただくことが基本です。お客様との信頼関係にもとづいて、たとえば常連様は計器を目視で確認するだけという場合も多いと思います。
–レシートを渡した際、走行距離とガソリンの量が合っているかどうかを店員さんは瞬時に判断しているということでしょうか。
担当者 ガソリンメーターを見て、満タンではないことが明らかにわかる場合、あらためて補給させてもらうか、もしくはお客様の許可をいただいて現金精算ということもあります。
–曖昧な部分もあるのですね。
担当者 そうですね。1リットルの狂いもないというほど厳密な運用をしてはいません。
–ありがとうございました。
このように、答えは「満タンで返されたら、そこに店側が追加補充することは基本的にしない」、その他のルールは「けっこう曖昧」であった。
ある程度の「信頼関係」の上に成り立ち、ルールにファジーさがあるということは素晴らしいと思う。むしろ、厳格なルールで縛られることが多い現代社会において、このファジーさは逆に貴重である。これからもレンタカー文化の発展のために、残し続けてほしいものだ。ビバ、ファジー。
(文=酒平民 林 賢一/ライター)