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そのため、人気歌手などの有名人が妻から姦通罪で告訴されることがよくあり、1982年には現職の国会議員が姦通罪の容疑で拘束され、辞職する事件も起きている。
とはいえ、世界的に姦通罪は時代遅れとされ、ほとんどの先進国では20世紀に入る頃に廃止された。韓国の姦通罪も15年にようやく廃止され、現在では不倫現場に警察が踏み込むこともない。
そんな中、いまだに姦通罪が存在する国や地域があるのも事実だ。アメリカの東部や南部のいくつかの州では姦通を犯罪と定めている地域があり、さらに中国でも14年、政府や党、企業幹部の10人が姦通を理由に身柄を拘束される事件があった。
これは習近平国家主席による「腐敗撲滅キャンペーン」の一環だったとされるが、宮崎謙介元衆議院議員の“ゲス不倫”も、中国であれば当局に身柄を拘束されていたかもしれないわけだ。
ブルネイでは姦通罪で石打ちの刑に!
一方、パキスタンやアフガニスタン、ソマリアなど、イスラム諸国の多くでは、現在も姦通罪が当然のように存在している。イスラム諸国では女性の性的自由が厳しく制限されているが、姦通罪においても、罪に問われるのは女性のみで、最悪の場合は「石打ちの刑」に処される。
石打ちとは、古代から伝わる処刑法で、下半身を生き埋めにして動けない状態の罪人に大勢の者が石を投げつけて死に至らしめるという、残忍極まりないものだ。
石打ちは人権擁護団体などの批判を受けて廃止する動きもあるが、東南アジアのイスラム教国のブルネイでは、14年に姦通罪の刑罰として石打ちを導入することを発表。廃止どころか、今後は不倫した人妻を石打ちにすると発表したために、世界中を驚かせた。
時代や国が違えば、不倫は時に死に至る行為だったわけだ。そのデメリットは想像を絶するほど大きいため、欲望に負けて不倫に手を染めようとしている人は、思い直したほうがよさそうだ。
(文=中村未来/清談社)
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