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川嶋朗「医師が絶対に話さない医療・健康のホント」

怖い長寿の不幸、死ぬ前の介護地獄20年の例も…医療と健康を他人任せの愚かさと代償

文=川嶋朗/医学博士、医師

 これまで皆保険制度がなかった米国では、高額な医療費がかかるため簡単には医療機関を受診できない。これに対し日本は、皆保険制度のおかげで簡単に医師を受診し、受診すればなんでも治るかのように思い込んでいる。多くの患者が死にたくないと言って医療機関を受診する。人間は100%死ぬものであるにもかかわらず、近年、死を受け入れない傾向が高まってきているのである。

 老衰を理想的な死だと思い込む節があるが、先日、老衰で祖母を亡くした若者が「老衰では死にたくない」と言う。理由は、年単位で襲ってくる機能不全(肢体不自由、食べられないなど)で、医師に相談しても改善が得られず、亡くなる前の20年間は本人も家族も地獄だったからだそうである。

健康寿命と平均寿命の差

「世界保健統計2011」では日本人の平均寿命は83歳で、193カ国中、第1位であり、これは日本が世界に誇る国民皆保険制度によるところが大きいだろう。しかし、単純に喜んでよいかというとそうでもない。04年のWHO(世界保健機関)の健康レポートでは、日本人の健康寿命は75歳で、これも世界一なのだが、平均寿命と比較すると7~9年の開きがある。言い方を変えれば、7~9年は健康でないまま生きるということになるのだ。

 医師は「死は敗北」「命を救うのが使命」と教えられ、それを実践してきた。その結果、寿命は延びたが、決して健康に延びたとはいえない。寿命を延ばすために医療費が膨れ上がり、財政を圧迫し我々の生活を脅かしかねないものになりつつある事実は、大きな問題である。しかも自立できないで生きる期間が7~9年にも及ぶのだ。

 日本医師会は、日本の国民医療費は先進諸国に比較して決して高いものではない、という見解を示している。確かにGDP比で見ればそうかもしれない。しかしながら、日本の医療費は国民皆保険で支えられている。つまり、その多くが公費でまかなわれているのである。それが税収を上回ってしまうことが問題なのだ。医療費の削減は待ったなしである。医療の質を落とさずに医療費を縮小するには、一人ひとりが疾病予防に努め、医者への需要を少なくすることである。

川嶋朗/医学博士、医師

川嶋朗/医学博士、医師

東京有明医療大学 保健医療学部 鍼灸学科 教授

新潟薬科大学 客員教授

東京女子医科大学 非常勤講師

広島大学医学部 非常勤講師

一般財団法人東洋医学研究所附属クリニック自然医療部門担当

1983年 北海道大学 医学部 医学科 卒業

1990年東京女子医科大学 大学院 医学研究科 修了

1983~1986、1990~東京女子医科大学腎臓病総合医療センター内科(第4内科)

1993年~1995年 Harvard Medical School & Massachusetts General Hospital

2003年~東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック 所長

2014年4月~現職

近著に、『医者が教える 人が死ぬときに後悔する34のリスト』(アスコム)、『医者にはがんは治せない 自分の力で病気を治す30の方法』(宝島社)、『ヘルシーエイジングのための自然医療』(医学と看護社)、『患者力のすすめ』(幻冬舎ルネッサンス)、『弱ったカラダが蘇る41の方法』(KADAKAWA)、『自癒力』(KKベストセラーズ)、『「無理する自分」を捨てれば病気は逃げてゆく』(主婦の友社)、『病気で死なない生き方33』(講談社)、『医者が教える行ってはいけない病院 間違いだらけの健康法』(洋泉社)、『健康法で死なないための42のカルテ』(水王舎)、『病気の9割は「あ・い・う・え・お」で防げ!』(創英社/三省堂書店)、『医者は自分や家族ががんになったとき、どんな治療をするのか』(アスコム)、『医者に殺されないための「かかりつけ医」の見つけ方』(光文社)などがある。

自然治癒力を重視し、近代西洋医学と代替・相補・伝統医療を統合した医療を日本の医療系の大学で実践中。「よりよく生きる」「悔いのない、満足のいく人生を送る」ための心得として、「自分の理想的な死とは何か」を考えるQOD(クオリティ・オブ・デス=死の質)の提唱者。

診察希望は03-3476-1581(一般財団法人 東洋医学研究所附属クリニック)まで

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