今年2月、スウェーデンの地方議会議員が「国民は勤務中、自宅に帰ってパートナーとセックスするための1時間の有給休憩を取ってもよい」という法案を議会に提出した。性的欲求が解消されれば仕事の効率も上がる、ということなのだろうか。
また、3月にはアメリカのテキサス州議会に「男性の自慰行為1回につき、罰金100ドル(約1万円)を科す」という法案が提出された。この法案を提出した女性議員は、男性の自慰行為について「新しい命をつくり出す精子を破棄する行為」だとして、規制することが目的と述べたという。
世界には、このような理解に苦しむ「ヤバい法律」がいくつもあるようだ。
おならで終身刑、「死ぬこと禁止」も
フランスには「死人と結婚する場合、大統領の審査が必要である」という不思議な法律がある。これは、ナポレオンの時代に制定されたもので、戦死してしまった男性を偲んで結婚したい女性のためにつくられたという。逆にいえば、フランスでは大統領の審査さえ通過すれば、死人と結婚できるのだ。
歴史的背景に加え、ロマンチックな雰囲気さえ漂う法律だが、アメリカ・ミズーリ州セントルイス地区の条例は、ロマンのかけらもない。
「教会でおならをした場合、終身刑に処す」
おなら1発で人生終了という、なかなか厳しい決まりである。目を閉じて祈りを捧げている最中に、どこからか放屁音が響けば一大事。「俺はやってない」と罪をなすりつけ合う壮絶ないさかいが起きるだろう。出てしまうものを我慢するのはなかなか難しい所業だが、ブラジルのビリチバ・ミリン市の条例はさらにハードルが高い。
「ミリン市民は、死ぬことを禁じる」
自然の絶対的摂理に反する、強烈な条例だ。とはいえ、死んでしまえば罪を問うこともできなそうだが、その場合は「親族に違法性を問う」らしい。この地方では墓の用地不足が深刻という事情があったようだが、なぜここまで極端な条例になったのか、もはや提案した人にしかわからないだろう。
16~17歳のセックスには年長者の指導が必要?
日本の民法では、男性18歳、女性16歳で結婚が許される。しかし、各都道府県が定めている、いわゆる「淫行条例」では、18歳未満の青少年との性行為を禁止している。ややこしいが、オーストラリアの場合は、さらに事情が込み入っている。
「性行為は16歳から行ってよいが、16歳・17歳の青少年が実施する場合は、年長者の指導・監督の下に行われる場合に限られる。指導なく実施してよいのは18歳からである」
「年長者の指導・監督」とは、どのような状況なのだろうか。単純に17歳以以下同士の性行為を禁じる法律なのかもしれないが、このような表現では大人がコーチのように声をかけている光景が浮かんでしまう。
また、性行為関連では、フィンランドに「異性とのセックスは16歳から行えるが、同性とのセックスは18歳まで禁止」という規定がある。「16歳から18歳までの2年間で、同性とのセックスができるように知識や経験を積め」ということなのだろうか。