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宇多川久美子「薬剤師が教える薬のリスク」

日焼け止め、間違った使い方&選び方は危険!子供が使ってはいけない商品はコレ

文=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士
日焼け止め、間違った使い方&選び方は危険!子供が使ってはいけない商品はコレの画像1「Thinkstock」より

 梅雨明けが宣言され、今年もギラギラと太陽の光が降り注ぐ真夏がやってきました。夏の大敵である紫外線が最も気になる季節です。

 そこで今回は、日焼け止め(サンスクリーン剤)について説明します。

 地球に届く太陽光は、波長によって赤外線・可視光線・紫外線の3つに分けられています。有害な紫外線は、オゾン層に吸収されて地表には届きません。

 オゾン層とは、地上10〜50km上空の成層圏にある層のことで、有害性が高い紫外線(UV-B、UV-C)を吸収し、人間や多くの生命体を守る重要な役割をしてくれています。

 地表に届く太陽光のなかでも紫外線は一番波長が短く、エネルギーの強い光です。さらに、波長によって「UV-A」「UV-B」「UV-C」の3つに分類されています。

 そのなかで、もっとも波長が短いのがUV-Cで、波長が短いものほど肌に与える影響が強いといわれます。UV-B・UV-Cは皮膚がん、白内障などの発症率を高めるといわれていますが、オゾン層によって吸収されるので、私たち人間も安心して暮らすことができています。オゾン層が破壊されてUV-C・UV-Bが地表に到達するようになれば、ほとんどの生命体は生きていけないといわれています。

 しかし近年、フロンガスや亜酸化窒素が原因でオゾン層が破壊され、オゾンホールといわれる穴があきUV-Bが地表に届くようになってしまいました。地表にはまったく届かないといわれていたUV-Cさえも、標高の高い山頂では確認されるようになってしまいました。

 この危機的状況に、オゾン層を破壊するフロンガスの使用禁止、二酸化窒素の削減規制等、地球規模でオゾン層の破壊を止めようとしていますが、今後数十年間はオゾン層が破壊され続けるといわれています。

 現在、地表に届いている紫外線の90%はUV-Aで、残り10%がUV-Bです。UV-Bによって細胞の遺伝子が壊され、それが突然変異を起こすことで皮膚がんにかかりやすくなります。

 日本で「日焼け止め」がクローズアップされたのは、オゾン層破壊が問題となったのと同時期で、有害な紫外線をカットする目的で日焼け止めを使用する人が急激に増えました。

 日焼け止めには「SPF」と「PA」の2つ指標が表示されています。どちらも紫外線を防ぐ効果の目安となりますが、購入する際、SPFであればできるだけ数字の大きいものを、PAであればできるだけ「+」の多い日焼け止めを選べば安心と思っていないでしょうか。SPFとPAの意味を、それぞれ正しく理解している人はどれくらいいるでしょうか。

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士

薬剤師として20年間医療の現場に身を置く中で、薬漬けの治療法に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。現在は、自らの経験と栄養学・運動生理学などの豊富な知識を生かし、感じて食べる「感食」、楽しく歩く「ハッピーウォーク」を中心に、薬に頼らない健康法を多くの人々に伝えている。『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)、『薬が病気をつくる』(あさ出版)、『日本人はなぜ、「薬」を飲み過ぎるのか?』(ベストセラーズ)、『薬剤師は抗がん剤を使わない』(廣済堂出版)など著書多数。最新刊は3月23日出版の『それでも「コレステロール薬」を飲みますか?』(河出書房新社)。

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