春から初夏にかけて「新茶」の季節を迎えるにあたり、各コンビニのスイーツコーナーには抹茶味の商品が並ぶ。小分けになっているチョコレートや大容量のクッキーなどは、小腹が空いたときに軽くつまむのに最適だ。一方、いわゆる「コンビニスイーツ」と呼ばれる生菓子は、スナック菓子と比べると値段は張るものの、満足感やスイーツとしての完成度が非常に高く、日々のささやかなご褒美にピッタリだ。
今回は、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートの大手3社から販売されている抹茶系スイーツ商品の中で、カップに入った「抹茶カップスイーツ」を紹介する。これからどんどん暑くなっていくが、さっぱりしていて初夏でも気にせずに食べられそうなスイーツ揃いなので、ぜひチェックしてほしい(価格は税込み、各種情報は調査時点のもの)。
ローソン「MOCHI CAFE 抹茶ミルク」/228円
ローソンが展開しているスイーツシリーズといえば「Uchi Cafe」を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、今回紹介するのは「MOCHI CAFE」という新シリーズだ。これまで「MOCHI CAFE」には「抹茶あずき」や「抹茶黒みつ」などの商品があったが、今回は「抹茶ミルク」と、和洋折衷のスイーツになっている。
カップの中は2層構造で、下がジュレのような抹茶ソース、上がミルキーなクリームゼリーという構造だ。抹茶ソースの中には、直径3cm近くはあろうかという大きな白玉が4粒も入っている。味はというと、ミルク感が強く、抹茶ラテのような味わいだ。なめらかな口当たりだが、時折弾力の強い白玉をかじることで、食感も飽きを感じさせない。甘めの抹茶スイーツが好きな人におすすめの商品だ。
セブン-イレブン「宇治抹茶と苺のパフェ」/300円
続いて紹介するセブン-イレブンの「宇治抹茶と苺のパフェ」は、さまざまな食感や味が楽しめるパフェだ。パフェでありながら、抹茶はもちろん、あんこや白玉がトッピングされ、和のテイストも感じられる。
肝心の抹茶はホイップクリームなのだが、この抹茶の苦味が強烈だ。単体で食べると、たてて淹れた抹茶にも負けない苦味と渋みを感じる。これを果肉入りの甘酸っぱい苺ピューレと一緒に食べると、より強い苦味を感じ、つぶあんと一緒に食べるとマイルドな苦味へと変化する。どのトッピングと一緒に口に入れるかで、さまざまな苦味の抹茶が味わえるのだ。
さらに、カップの下の抹茶寒天や軽い苺クリームなどで、食感のバリエーションも豊富。カップの中で無数の組み合わせを試せるので、自分好みの味や食感を見つけてほしい。
ファミリーマート「餡入りわらび 抹茶」/160円
ファミリーマートの肉まんやあんまんを手がけている井村屋が開発したスイーツ「餡入りわらび 抹茶」が、限定販売されている。
カップには、つるりとした、のどごしの良いわらび餅がみっちりと入れられ、見た目の抹茶感は薄い。しかし、フタを開けると、わらび餅の中に大きなボール状の抹茶餡が入っており、存在感を放つ。やわらかな抹茶餡とわらび餅を混ぜると、ぷるぷるで濃厚な抹茶味のわらび餅ができあがるのだ。
わらび餅というと、きな粉や抹茶など粉末をまぶすイメージが強いだろう。しかし、「餡入りわらび」は抹茶をあんこにし、カップの中で混ぜ合わせることで完成するので、粉が飛んでしまうといった心配はない。食べやすさも抜群で、夏にぴったりのスイーツだ。
ローソン「Uchi Cafe SWEETS 生ワラモ とろ生わらび餅 お抹茶」/195円
ファミリーマートのわらび餅がつるんとした食感であるのに対し、ローソンの「生ワラモ」はふわふわの食感。そのふわふわ感を出しているのが、宇治抹茶がブレンドされた生クリームだ。
軽い食感のクリームではあるが、わらび餅にしっかりとくっついてくれるので食べづらさはない。抹茶クリーム自体の味は濃厚でしっかりと苦さがあり、後味まで抹茶の風味を堪能できる。香りも強く、コンビニスイーツとは思えない本格的な味わいだ。
わりとボリュームがあるが、抹茶のほろ苦さとわらび餅の甘さのバランスが絶妙なので、くどい甘さを感じずに食べ進めることができる。抹茶の苦味を味わいたい人や、和菓子も洋菓子もどちらも食べたいという人向けのスイーツだと感じた。
ファミリーマート「お抹茶チーズケーキ」/238円
最後に紹介するファミリーマートの「お抹茶チーズケーキ」はプラスチックのカップに入ったスイーツではないが、紙カップに入っており、スプーンですくって食べるため、ここでは「カップスイーツ」の括りで紹介させてほしい。
まず、袋から取り出すと、抹茶スポンジのスポンジクラム(ケーキスポンジを細かくしたもの)が敷き詰められた緑が映える見た目に反し、香りはチーズだ。スポンジクラムの下にはレアチーズケーキ、その下に抹茶ムース、という3層構造になっている。
香りと、口に入れた瞬間は確かにチーズケーキの風味が強いのだが、徐々に抹茶が顔を出し、後味や鼻に抜ける香りは抹茶の風味だ。2つの味が喧嘩することもなく、見事に調和している。チーズも抹茶も味はしっかりしているもののくどさはないので、ケーキだが、さっぱりと食べ進められるのもうれしいポイントだ。
コンビニスイーツの入れ替わりは激しく、また、店舗によって品揃えも異なる。気になる商品を運良く見つけられたときは「一期一会」だ。迷わず購入することをおすすめする。
(文=清談社)