ランチをササッと済ませたい場合などにうってつけの牛丼チェーン。大手3社の「吉野家」「すき家」「松屋」は新型コロナウイルスが流行して以降、減少したイートイン需要の穴埋めをすべく企業努力を重ねている。
しかし、各社の連結決算を見ると、吉野家ホールディングス(2020年3月~21年2月)の赤字は75億300万円、松屋フーズホールディングス(20年4月~21年3月)の赤字は23億7600万円に。すき家を展開するゼンショーホールディングス(20年4月~21年3月)は22億5900万円の黒字を記録するも、前年同期と比べるとマイナス80%以上の数字だ。
そんな時世にも負けじと、各チェーンは積極的に季節の新商品を発表し、それぞれおいしいメニューを展開している。今回は、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」が大手3チェーンの商品を独自にリサーチした「この夏、買うべき3大牛丼チェーンの商品」5品を紹介したい(価格は税込み)。
吉野家/ねぎ塩豚丼(並盛)/505円
はじめにご紹介するのは、今年5月13日に新発売された吉野家の「ねぎ塩豚丼」。吉野家自慢の豚肉に特製ねぎ塩だれを合わせて焼き上げた逸品だ。“かぼす胡椒”を加えることで、さわやかな香りが広がるとのこと。夏の定番商品で、暑い日にこそ食べたくなりそうだ。
SNS上では「ねぎ塩のさっぱりとしたしょっぱさが夏らしい!」と好評。他にも、「豚肉が香ばしくて食べ応え◎」といった吉野家の豚肉を賞賛する声も。
実食してみると、はじめに感動を覚えたのは食感だった。やわらかい豚肉にシャキシャキした玉ねぎが合わさっていて、とても美味。“かぼす胡椒”の存在もしっかり感じられ、口のなかに香る。夏らしくてさっぱりした味わいの新商品「ねぎ塩豚丼」は、この季節のイチオシ商品と言えるだろう。
吉野家/タルタル南蛮から揚げ丼(並盛)/613円
続いては、同じく吉野家の「タルタル南蛮から揚げ丼」。こちらは一部の店舗限定で販売されている。大きめサイズのから揚げを吉野家特製のたれに漬け込み、さらにタルタルソースをかけた商品だ。
揚げたてにこだわっているため、注文からでき上がりまで10分程度の時間を要するこちら。好評の声は多く、「転がしたくなるくらい一個一個がデカい」「かりっ、さくっ、と噛めて、なかはやわらかくジューシー」「下味がしっかりしてて、酸味も効いてる」「タルタルと甘酢が絶妙な相性でめちゃうまい」など、食感から味まで絶賛の声が多数。
評判の真偽を確かめるべく実食すると、少し焦げ目のある衣がさっそく香ばしい。そして、揚げたての鶏肉の食感はカリっとしていて中身はジューシー。肝心の味は、甘辛のタレとタルタルソースとの相性が想像以上に良くて美味。注意すべきは、販売していない店舗もある点だろう。来店する前に、あらかじめ確認しておいたほうがいいかもしれない。
すき家/シーザーレタス牛丼 スーパーフードMIX(並盛)/630円
3品目は、すき家が今年6月2日に発売を開始した「シーザーレタス牛丼 スーパーフードMIX」。レタスやベーコン、赤ピーマンを並べ、コクのあるシーザーソースをかけた「シーザーレタス牛丼」に、ケールとくるみ、アーモンドの3種類のスーパーフードを加えた一品。カルシウムと食物繊維、ビタミンEが豊富に入っていることから、栄養満点のヘルシー食となっている。
SNSでは「シャキシャキしたレタスとケールにシーザーソースが合う」「くるみとアーモンドの食感もたまらない」と、食材の調和が取れていると評判だ。そして、栄養素のバランスが優れていて健康的な食事であることを褒める声も。
いざ実食。ケールとアーモンド、くるみが入っていることで、牛丼としては新食感、そして新しい味だ。パプリカもふんだんに使われた色とりどりの野菜は、見事にシーザーソースとマッチしている。おいしさだけでなく、健康促進の意味でもおすすめの商品である。
すき家/SUKIMIX ビビンバ牛丼(並盛)/580円
続いて、同じくすき家から今年4月21日より新しくシリーズ展開された「SUKIMIX」の「ビビンバ牛丼弁当」。当シリーズは、高まるテイクアウト需要に応え、牛丼とその他のおかずをひとつの容器に入れて、スプーンで混ぜて食べることを可能にした新しいコンセプトの商品だ。組み合わせはさまざまで、そのなかからビビンバ牛丼をチョイスした。
すき家はこれまでに「SUKIMIX」の冠がつかない通常のビビンバ丼も販売されていたのだが、具材に不満を持つ方からは“ビビンバ風”などと揶揄されることもあった。しかし、今回は「本格キムチが加わった本物」「コチュジャンが多めに入っていて、甘さと辛さが絶妙なバランスでおいしかった」など高評価を受けている。
実際に食べてみると、従来のビビンバ丼とは異なり、進化を感じるものとなっていた。コチュジャンの辛みが新鮮な具材と混ざり合い、非常においしく感じた。より本場ビビンバに近い本格的なものになっており、この夏おすすめのスタミナ食と言えるだろう。
松屋/青椒肉絲定食/690円
最後にご紹介するのは、松屋から今年5月25日に新たに発売された「青椒肉絲定食」。牛肉とパプリカを炒めてタレをからめたもので、独自に開発したオイスターソースが決め手だという。色とりどりの野菜をふんだんに使った定食だ。
開発者の狙いは見事にハマり、SNS上では「かなり濃いめのオイスターソースでご飯との相性は抜群」「ご飯がすすむ!」と、おかずとして最高だと絶賛の声が上がっている。
実際に食べてみると、青椒肉絲というよりは“牛肉とパプリカの中華風炒め”なのだが、味は確かにやみつきになるくらいおいしい。オイスターソースが具材にからみ、ご飯は何杯でも食べられそうだ。リピート必至の新商品と言えるだろう。
――コロナ禍に合わせた新シリーズの展開や季節の新商品など、各チェーンともおすすめの商品ばかり。注文の際に何にしようか迷ったら、本記事を参考にしてみてはいかがだろうか。
※情報は2021年6月21日現在のものです。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)