時間に余裕がないときに、あると助かる冷凍食品。ひと昔前までは、とにかく素早く食べられる手軽さを重視しているイメージが強かったが、近年は味のクオリティの高いものも多く、冷凍食品業界全体のレベルが上がってきている印象。さらに、現在はコロナ禍の巣ごもりムードで冷凍食品の需要が高まっていることもあり、市場はかなりホットな状態にあるだろう。
そんななか、“コーヒーと輸入食品のワンダーショップ”を謳う「カルディコーヒーファーム」(以下、カルディ)で販売されている冷凍クロワッサン「オスカーモンド クロワッサン」が、「とんでもなく美味しい」とTwitter上で話題に。その投稿者は、「サックサクのじわバター最高……ジャムいらん……これだけでいい……」と称賛しているのである。また、このツイートには「これはガチ」「我が家の冷凍庫の常備品です」などのコメントが集中しており、すでにコアなファンを獲得しているようなのだ。
そこで、今回はカルディファンを公言する料理研究家のヤミー氏に、「オスカーモンド クロワッサン」の魅力を解説してもらったうえで、実際に同商品を筆者が実食レビューしていきたい。
「パリのパン屋さんで売っていても違和感がない」
大学入学を機に上京した頃からカルディに通っているというヤミー氏は、何度も購入しているという同商品を次のように評する。
「パン生地は海外のスーパーや国内の輸入食材のお店で見て知っていたので、カルディで販売が始まったときは嬉しかったですね。実際に食べてみても、とても美味しいと感じました。
バターがジュワっと広がるクロワッサンは他にもありますが、後半で“食べ疲れ”してしまうものが多いんです。でも、この商品はバターのリッチな風味が感じられるのにベタベタと油っぽくなく、最後まで食べやすい。
食べていくと、小麦の甘みが楽しめるところも気に入っています。もしこの商品がパリのパン屋さんで売っていたとしても違和感がないレベル。パリで食べても美味しいと感じるでしょうね」
食のプロが大絶賛するほどの完成度のようだが、改めていうが冷凍食品なのだ。
「焼きたてをパン屋さんで買って、美味しいうちに食べるのはなかなか難しいですが、これなら好きなときに出来たてを食べられるのが嬉しいですよね。焼き上がりまでに少々時間がかかるので、“毎日の朝食に”というわけにはいかないかもしれませんが、その出来上がりまでの工程まで含めて、贅沢なおうち時間を過ごせる冷凍食品だと思います」
作業の手間を一瞬にして忘れさせる、バター豊かな味わいが魅力
同商品は、全国のカルディとカルディの公式オンラインストアで購入可能。5個入り537円(税込)で販売されているため、ひとつあたり100円少々ということだ。公式サイトの説明書きを見ると、室温で解凍したうえで、余熱した180℃のオーブンで焼く必要があるという。
なるほど、ヤミー氏が“時間がかかる”と言っていたのにも合点がいく。冷凍食品といっても少し手間のかかるタイプのようだ。この工程が煩わしく感じるか否かはクオリティにかかっているだろう。
では実際に作ってみよう。まず、冷凍庫で保存していたものを室温で解凍し、その間にオーブンを180℃に熱しておく。時間を置いた後、生地を軽く押して柔らかくなったかどうかを確認。すでに少々表面がコッテリとしており、“バターたっぷり感”が伝わってきた。
解凍され生地が柔らかくなっていれば、180℃のオーブンで25分ほど焼いていく。焼きあがり、オーブンから取り出すと、袋から取り出した状態のときよりも3倍ほどの大きさになっていたので驚いた。
あとは10分ほど冷ましたら完成。焦げ色や本格的なデニッシュの質感が、食欲を刺激する。
一口かじると、まさにパン屋の焼きたてクロワッサンの食感と味。デニッシュのサクっとした軽い食感のあとに芳醇なバターの香りがやってくる。そして、なかはモチモチでしっとり。咀嚼するとバターがじゅわっと溢れてくるような感覚があるので、Twitterでこの商品を“ジャムいらん”と紹介したユーザーの評価がオーバーでないことがわかった。
ちなみに、あえて味そのものに関するレビューをするならば、感じられるのはバターと小麦の自然な甘みのみ。ほとんどバターの独壇場で成立してしまっているという印象だ。しかし、ヤミー氏も言っていた通り全体的には軽い食べ心地なので、重く感じることはない。筆者は減量中のため1個だけにしておこうと思っていたが、美味しくてつい2個食べてしまったほどだ。
このクオリティのクロワッサンが自宅で楽しめ、長期保存も可能。自然解凍やオーブンで熱するなどの工程にやや手間がかかるが、それを差し引いても、これは“スゴい冷凍食品”と言えるだろう。
舌の肥えた料理研究家をも唸らせる品質の「オスカーモンド クロワッサン」。気になった方は、ぜひチェックしていただきたい。
(文=福永全体/A4studio)