1953年にスウェーデンで生まれ、世界各国に「IKEAストア」を展開することで成長し、今日では世界中にファンを抱える存在になったIKEA。日本国内でも、2006年に千葉県船橋市に1号店をオープンして以来、スタイリッシュかつ低価格な家具・雑貨チェーンとして広く認知されており、その店舗数は年々拡大中だ。
また、ここ1~2年は都市型店舗の展開に積極的。2020年春の原宿店を皮切りに、渋谷店と新宿店も誕生しているのである。これまでほとんどの店舗が郊外に据えられていたIKEAストアを都心に出店することで、新たな客層を取り込むことが狙いだろう。
そんなIKEAには、先述の通り北欧テイストのスマートなデザインの家具や雑貨が盛りだくさんで、その品々が顧客を虜にしていることは間違いない。だが、なかには評判が芳しくない商品もちらほら見受けられる。
そこで今回、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」が、IKEAの「この夏、買ってはいけない商品」を独自にリストアップ。IKEAでの買い物の参考にしていただけたら幸いである。
SLIBB スリッブ 洗濯バサミ(大)/129円(税込、以下同)
IKEAでは便利な日用品も数多く販売されている。そのため、店頭で「そういえば、あれがなかったな」と買うべきものを思い出し、当初は想定していなかった品を買うこともあるだろう。洗濯バサミなどがまさに、そのような買い方をしがちなアイテムだろうが、この「SLIBB スリッブ 洗濯バサミ(大)」に関しては、購入の際に注意が必要だ。
「SLIBB スリッブ 洗濯バサミ(大)」は、その名の通り大きめサイズの洗濯バサミで、シーツや掛け布団など厚みのある洗濯物を干す際に便利なアイテム。2個入りで129円と、リーズナブルな価格で販売されているのもありがたいのだが、公式サイトのレビューにはネガティブなコメントが散見される。
「一般的な洗濯竿で使用すると、大きすぎて薄手のものなどは挟んでも固定されない」
「洗濯ハンガーを竿に固定したかったのですが、挟みくちが割れていないので挟めず残念」要は“布団類以外には使用しづらい”ということだ。
公式サイトの商品紹介欄を見てみると、「重みのある洗濯物に最適」との記載があるが、パッケージには一切そのような記載がないので、店頭で初めて見かけて購入した場合は、実際に使ってみてガッカリなんてケースもありうるだろう。布団類以外にも洗濯バサミを使いたい方は、買い控えたほうがいいかもしれない。
ÖVERST オーヴェルスト 金属フィルターコーヒー3点セット/999円
コーヒー好きの方のなかには、自宅でコーヒーを淹れるたびにフィルターペーパーのゴミが出てしまうことを気にされている方もいるだろう。そんな方には金属フィルターへの乗り換えをおすすめしたいところだが、IKEAで販売されている「ÖVERST オーヴェルスト 金属フィルターコーヒー3点セット」の購入を検討するのならば、少々注意が必要だ。
こちらは、繰り返し使える金属製フィルターで、「小さな穴が油分も通すので、深みのある味わいのコーヒーになる」との触れ込みで販売されている。一見すると、金属フィルターデビューにピッタリな商品に見えるが、購入したユーザーからは「粉が入る」「泥水が完成しました」との声があがっている。どうやら、細かく挽いた豆だと粉が抽出したコーヒーに入り込んでしまうようなのである。
実際に使用してみると、確かにユーザーの指摘があった通り、中挽きの豆を使用するとコーヒーに微粉が入り込んでしまった。しかし、IKEA側は「ぜひ粗めに挽いた豆でお楽しみください」ともアナウンスしているので、不良品というわけでもない。ただ、この商品を快適に使うためには、使用する豆を「粗挽き」にする必要があるということを留意しておくべきだろう。
VÅGSJÖN ヴォーグショーン バスタオル/599円
寝起きや帰宅時、スポーツの後……と、普段以上に汗ばむシーンが多い夏は、シャワーを浴びる回数も増えるだろう。そんな季節にこそ、バスタオルも新調したいところだ。
「VÅGSJÖN ヴォーグショーン バスタオル」は、IKEAで販売されているバスタオルのなかでも、もっとも有名な商品。公式サイトの商品ページでは、ほかのバスタオルはレビューが多くても40前後のなか、こちらには約400件のレビューが集まっている。カラーバリエーションも豊富で、1枚599円という価格も魅力なのだが、ただひとつ欠点があるようだ。
それは、糸くずが多く出るということ。おろしたてのバスタオルに糸くずはつきものだが、こちらは購入してから半年たっても糸くずが出続けることもあるという。それも、かなり繊細な糸なので、お風呂上がりに顔や体を拭き、化粧水を塗るために顔に触ると、細かい大量の糸くずに気づくということもあるようで、非常に不快に感じるといった声がある。安さを優先させるならばアリかもしれないが、慎重に検討していただきたい。
JÄLL イェル 卓上アイロン台/799円
衣類のシワに敏感な方であれば、普段からアイロンを高頻度で使用していることだろう。アイロンをかける際に使用するアイロン台だが、出すのが億劫に感じたり、床が散らかっていて出すのに十分なスペースがなかったりすることも往々にしてあるはず。そのような悩みにアプローチしてくれるというのが「JÄLL イェル 卓上アイロン台」だ。
こちらはコンパクトなサイズのアイロン台で、脚が短めになっているのが特徴。卓上で使え、出番がないときは折りたたんで掛けておけるという商品で、なかなか使い勝手が良さそうではある。
だが、多くのユーザーが指摘しているのが、使用時の“頼りなさ”だ。公式サイトのレビューを見ると「足の強度が足りない」「つくりが弱い」「表面のパッドが薄い」など、一箇所だけでなく多くの個所に、つくりのチープさが現れてしまっているようなのだ。
実際に現物に触ってみると、天板部分がアイロン台とは思えぬほどの薄さで驚いた。長く使いたいのならば、他メーカーのものを購入したほうが賢明だろう。
基本的には気軽に購入しやすい低価格と、生活に寄り添った機能性、北欧らしいオシャレなデザインの3点を兼ね備えているIKEAの商品。だからこそ上手に商品を選んで、満足のいく買い物をしていただきたいものだ。この記事を参考にしつつ、IKEAでの買い物を楽しんでいただけたら幸いである。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)
※情報は2021年6月30日現在のものです。