新型コロナウイルスによる影響で、外食できずステイホームせざるを得ない状況が続いていたため、焼肉店に行かなくなったという方も少なくないだろう。うまい肉とうまい酒を嗜む……コロナ禍での日常に慣れすぎて、焼肉店で当たり前だった光景を忘れかけている方も多いはず。
そこでおすすめしたいのが、自宅でひとり焼肉ができるサンコーの「卓上ひとり焼肉プレート」(税込3680円)だ。
とはいえ、自宅で焼肉をするのにわざわざひとり用のプレートなんて必要なのか? と首をかしげる人もいることだろう。そこで、今回はこの商品を実際に利用し、本当に美味しく肉を焼けるのか、問題点はないのか、そもそも便利なのかを徹底的に検証していく。
小ぶり&コンセント式で手間いらず!
サンコーの公式オンラインショップで注文してから5日後、商品が届いたので開封していく。段ボールの中には、「本体」「プレート」「焼き網」「取扱説明書」が入っていた。想像よりもかなり小ぶりであり、簡素なつくりになっているためか、本当に“ひとり用”なのだと実感。本体の正面に加熱のON/OFFスイッチが付いているだけなので、使い方はベリーシンプルで調理は簡単そうである。またコンセント式のため、わざわざガスコンロを買わなくていいところも、おひとりさまに優しいポイントだろう。
また、プレートか焼き網のどちらかを選んで調理できるのも嬉しいところ。じっくり火を通して肉を食べたいならプレート、網目を付けて豪快に焼きたいなら焼き網といった使い分けができるだろう。
想像以上のクオリティで肉が焼ける!
それではさっそく説明書を見ながらひとり焼肉をしてみる。近所のスーパーで販売していた牛豚カルビセット、野菜を卓上に並べていく。そして、この焼肉プレートではなんと魚も焼けるとのことだったので鮭も購入した。焼肉のたれも用意し準備は万端だ。
いざ点火。スイッチを押してから数分後、ガスを使用していないがガスっぽい臭いが漂う。おそらく本体に内蔵されているヒーターが温まっているせいだろうが、人によっては少し気になってしまうかもしれない。
ヒーターが温まってきたので、まずは焼肉の王道・牛カルビから焼いていく。肉をプレートに乗せた瞬間、“じゅわあ”といい音が聞こえ、肉がしっかり焼けていることが確認できる。説明書によるとプレートの温度は最大300度にも上がるため、火傷をしないように注意しなければならない。
引き続き1分ぐらい焼いた後、見事に肉が焼きあがった。見た目は文句なしに美味しそうであるが、写真でも確認できるようにかなり油が出ている。油はねを予防するためにも、キッチンペーパーなどで随時プレートの油を吸収したり、本体の下に新聞紙を敷くなどの対策が必要だろう。
また、写真ではややわかりづらいが煙がかなり出ている。肉を焼いているだけで部屋中に煙が充満するため、窓を開ける、換気扇を付けるなど換気はしっかりとしたほうがよさそうだ。
焼きあがった肉を焼肉のたれに付けて食べてみる。生焼けなどもしておらず、しっかりと焼けていて美味しい。残った油でガーリックライスなどを作るのも面白そうだ。
続いて豚カルビも焼いてみる。こちらも問題なく焼け、非常に美味しい。ただし、豚肉は牛肉よりも油が出るため、油はねにはより一層注意しなければならない。
野菜、魚、なんと目玉焼きまで焼ける!
続いて野菜も焼いていこう。今回用意した野菜は、玉ねぎ、にんじん、しいたけ、アスパラガスの4種類だ。今回は肉を焼いた後だったため必要なかったが、野菜だけを焼く際には、サラダ油などを事前に用意しておこう。
野菜は焼きあがるまでに時間がかかるため、そばで肉を焼きながら待つのがいいかもしれない。特にしいたけ、にんじんは中まで火が通っていないと美味しくないため、十分に火入れすることをおすすめする。
焼きあがった野菜を食べてみると、こちらも想像以上に美味しく焼けていて驚いた。玉ねぎはシャキシャキ感を残しつつもしんなりとしており、アスパラはみずみずしさを存分に感じられる味わいに仕上がっている。
にんじんも芯まで火が通っているおかげか、渋みは一切感じられず、にんじん本来の甘さが強調されている。そして、しいたけも焼きあがることで旨みが凝縮され、香ばしく奥深い味となった。
この商品は焼肉だけではなく、野菜や魚介類の炉端焼きをする際にも使えるだろう。油を敷くだけで本格的に炉端焼きを楽しめるため、酒飲みにはぴったりのアイテムになるはずだ。
さて、野菜も焼き終わったところで今度は鮭を焼いてみる。今回は説明書のサンプル画像を参考にし、プレートから焼き網に変更して焼くことにした。
肝心の焼き加減だが、こちらも良好だ。肉や野菜に比べると若干時間がかかるが、魚焼きグリルで焼いたかのような香ばしい焼き鮭が出来上がった。味も申し分なく、自宅で魚を気軽に食べたい方におすすめしたい。
ただ、焼いている段階で魚の油がかなり出てしまうため、後片付けはやや大変かもしれない。焼き網の下に水を張ったトレイなどを入れておくと、後片付けが楽になるのではないだろうか。
用意した具材も底を突いたため、最後は冷蔵庫の中に余っていた卵を使って目玉焼きを作ってみた。火の入りが良く、白身が固まったところまでは良かったが、黄身に思うように火が入らず焦った。臨時の対応策としてフライパンの蓋をかぶせたところ、数分後には美味しそうな目玉焼きが完成した。
なんとか焦げずに作り上げることができて安堵したが、ここで温度調節の機能などが搭載されていればより便利に調理できるだろうと感じた。
さて、使用後の後片付けだが、これには少々手間がかかった。プレートはかなり焦げ付きやすく、スポンジと洗剤だけでは落とし切れない。たわしなどでこすって大分汚れは落ちたが、それでも黒ずんでいる部分が目立つ。また本体の油汚れも多く、使用後は本体全体を隈なく洗う必要があるだろう。
また、テーブルは油でギトギトになっており、アルコール洗剤などで拭かなければならなかった。室内も焼肉の臭いが充満しているため、換気、消臭剤などを使用して空気をきれいにしたほうがいいだろう。
このように、使用後の後片付けが少し面倒な印象はあったが、この値段でひとり焼肉を満喫できるのならば、十分に購入する価値はあるといえるだろう。炭やカセットボンベなどの消耗品を必要とせずに、室内で簡単に焼肉ができるメリットは大きい。焼肉ができずに鬱屈としている方は、ぜひ購入を検討してみてはいかがだろうか。
(文・取材=文月/A4studio)