NGT山口真帆暴行告発は、なぜ最悪の展開になったのか?山口の“敵になった”運営元
NGT48・山口真帆さんの暴行被害告白騒動は、運営元のたび重なる幕引きの試みにもかかわらず、収束する気配がありません。真相もはっきりせずに憶測が憶測を呼び、運営側への批判や疑念がとどまるところを知らない状況です。組織の危機管理という意味では、昨年の日大アメフト事件と並ぶ近年最悪の展開のひとつといえるでしょう。
この出来事は教訓にしましょう
人気商売の芸能界ほどではないかもしれませんが、情報化され、そしてサービス産業化された現代社会では,多くの組織がイメージを大切にせざるを得ません。今回、NGT運営元が陥った事態も、組織管理の責任者の方々は「他人事ではない」という気持ちで見ているかもしれません。賢明な管理・監督者であれば、この出来事を「対岸の火事」と見るのではなく、「明日は我が身」という思いで見ているでしょう。
ただ、むやみに心配するのも辛いものです。組織の管理者は日々、大きな負担を強いられています。できる限り上手に心配して、小さい負担で自分の組織をより盤石にしたいですよね。
そこで、ここではNGT事件の顛末を参考に、管理責任者が心得ておくべき危機管理に役立つ心理学をご紹介しましょう。
ステークホルダーが納得する共通の目標をつくる
ステークホルダーとは利害関係者のことです。NGT事件では、被害者である山口さん本人も当然のことながらステークホルダーです。しかし、運営元と山口さんは事態への対応について共通の目標が持てなかったようです。人は共通の目標を持てれば仲間になって協力し合えるのですが、目標が大きくずれると相手が敵に見えてきます。
見る限り、山口さんには運営元が敵に見えたようです。山口さんは真相の解明と再発防止、NGTとしての活動継続などを求めていたと思われます。どれも被害者としては大事なことばかりですが、運営元は共通の目標にできなかったようです。このことが告発につながって問題が拡大したことはいうまでもありません。
憶測を避けるために自発的に情報を発信する姿勢を示すこと
山口さんの告発まで、運営元がすべてを隠そうとしていたことも問題を拡大させたといえるでしょう。人は気になることがあると真相を求めます。そして情報が隠されていると、憶測を始めます。誰かの憶測が次の憶測を呼ぶという事態になると、歯止めがきかなくなります。