テレビなどのメディアで取り上げられた商品が、店頭から消えてしまうのはよくあること。ここ数年でいえばアサイー、チアシード、ココナッツオイル……など、初めて聞くような珍しい食品もあり、購入した方もいるかと思いますが、現在はどうでしょうか。今も継続して食べているものは、意外と少なくないですか。もしくは、すでに販売数が伸びず商品棚からなくなってしまったものもあるでしょう。
毎日のようにメディアで取り上げられ、食べれば自分の体の悩みが解決できそうな良いことばかりを耳にするのに、だんだんと取り上げられなくなる。本当に良いものならば、そのような扱いにはならないということは、言われてみれば気づくはず。
ここ最近はテレビでも「○○が体に良い」「これを食べれば○○にならない」などと紹介する番組がない日はないほどです。そのくらい食品や栄養学に関心がある人が増えているということなのでしょうが、先日講演にいらした方が情報番組について「これがいいというのがあり過ぎて、だんだん本当かどうかわからなくなってきた」「あれもいい、これもいい、で太りそうだ(笑)」と言っていたのが印象的。
こういう方たちにお話をするのは、食事を含めた健康番組を観るときには、食品そのものではなく、なぜその食品が健康に良いのか、なぜ効果があるか、理由を考えてみることで迷いがなくなるということです。例えば「トマトが良い」ではなく、「トマトを食べると、どんな効果があるのか」「なぜそうなるのか」を考えるのです。まずは、そういう目で観ることが大切です。
乾燥食品に注意する
また、よく食品で「栄養素がこんなに多く含まれる」というのがありますが、生の食品ではなく乾燥した食品が出てくるときは注意しましょう。ドライフルーツ、切干大根、高野豆腐、乾燥ひじき、乾燥わかめ、干ししいたけ……。食品は100g当たりで栄養素を比較することがほとんどなので、乾燥することで水分がなくなれば栄養素がぎゅっと詰まっているようにみえます。
あるテレビ番組で、「牛乳」と「ひじき」ではどちらがカルシウムが多いのかが比較されていました。グラフにすると、カルシウム量はなんとひじきのほうが牛乳の10倍以上もあるというのです! ということで、番組はひじきをすすめる内容でしたが、実はここに乾燥商品のカラクリがあります。