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川端理香「惑わされない! 栄養と食の本質」

“「ひじき」のカルシウム量は牛乳の10倍”の罠…乾燥食品のカラクリ

文=川端理香/管理栄養士

 まず、前述の通り食品の栄養素は100gで比較することが多いですが、牛乳100gはコップ半分程度の量になります。ひじき100gというのはどうでしょうか。ちょっと量が多いくらいかな……ではないのです。

 実はこのグラフは生ひじきではなく、乾燥ひじき100gのものなのです。乾燥ひじきは食べる前にもどしますが、もどすとなんと10倍程度の量になるのです。つまりグラフのひじきは、生ひじき1000gということなのです!

 コップ半分の100mlの牛乳と1000gのひじき。現実的でない比較だというのがわかります。だけれども、これを白衣を着た医師が説明したら、思わずその気になってしまうのではないでしょうか。

 健康番組を含めた栄養の情報は、「なぜか」という理由をよく考えながらみること。そして、「乾燥食品に注意する」ということは頭に入れておくことをお勧めします。

 さて、これを読んで、メディアで取り上げられて購入しているものがなぜ良いのか、その理由が言えず考え込んでしまった方はいませんか?良いといわれたものが乾燥した食品ではないですか?

「これを食べれば痩せる!」「健康になる!」「長生きする!」。多くの人が気にするキーワードであり、思わず観てしまうでしょう。でも、今回ご紹介した目で観るようにすれば、果たしてそれが自分に必要かどうかは、わかるはずです。

 これから定期的に連載をしていくことになりますが、みなさんに流行に惑わされない知識や見方をお伝えできればと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
(文=川端理香/管理栄養士)

川端理香/管理栄養士

川端理香/管理栄養士

昭和女子大学非常勤講師。2004年アテネオリンピック「VICTORY PROJECT」チーフ管理栄養士、08年北京オリンピック委員会強化スタッフ。JリーグやVリーグ、プロ野球、プロゴルフ、ラグビーなど多くのトップアスリートをサポート。著書多数。一般を対象にした講演などの食育活動や執筆、レシピ開発、企業の栄養アドバイザーも務める。


川端理香オフィシャルブログ

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