「スタバ」の愛称で親しまれる大手カフェチェーン「スターバックス コーヒー」が日本に進出して、およそ四半世紀。コロナ禍による厳しい客足低下の流れの中でも店舗数を増やし、2020年には約100店を出店、21年9月末時点で1685店舗となっている。
スタンダードなおいしさを守っていくことにこだわりが感じられる一方で、ヴィーガン向けにミルクを豆乳に変更できるなど、多様性が求められる時代に即したメニュー展開にも定評がある。今回は、そんなスタバのメニューからあまり知られていないドリンクやカスタム、新商品などに注目して、この冬に試してみてほしい買うべきメニューを5つ紹介していこう(価格は税込み)。
スチームミルク/[ショートサイズ]330円
スチームミルクとは、いわゆるホットミルクのこと。スタバといえばコーヒーやフラペチーノのイメージが強いので、取り扱いがあることを知らなかった人も多いのではないだろうか。それもそのはず、こちらのメニューは店舗のメニュー表に載っていないことが多いので、そもそもの知名度がかなり低いといえるだろう。
味はいたってシンプルなホットミルクである。温めたことにより牛乳の持つ甘味が引き出されており、口にするたびほっとする。ちなみにミルクを使ったホットドリンクの中では一番安価なメニューなので、お財布に優しいのも高評価ポイント。
なお、通常のオーダーで使用されるのは「スターバックスミルク」というスタンダードなミルク(加工乳)だが、プラス55円で「ブレべミルク」という特別なミルクへの変更が可能だ。これは牛乳とホイップクリームの原料を同じ割合で合わせたミルクのことで、通常のものよりもまろやかな口当たりが感じられる。濃厚な味わいを楽しみたい方は注文してみてはいかがだろうか。
抹茶ティーラテ(+カスタム)/[ショートサイズ]484円
ほろ苦い抹茶パウダーとミルクを合わせたドリンク「抹茶ティーラテ」は、シンプルでありながらも人気の高いメニューだ。これを、ある方法でカスタマイズしたものがSNSを中心に話題となったことをご存じだろうか。
「抹茶ティーラテ」の注文時に、「シロップなし、無脂肪乳、オールミルク、抹茶パウダー多め」と伝えてみてほしい。これにより甘味付けであるクラシックシロップが抜かれ、通常のミルクよりもすっきりとした味わいの無脂肪乳が使用されるのだ。
通常の同商品より甘さ控えめな飲み口で、多めに入れてもらった抹茶パウダーの濃厚な苦みと香りが後を引く。甘みやコクは薄いが、抹茶の持ち味が最大限活かされているドリンクだと感じた。コールドでも注文が可能だが(その場合は「オールミルク」のカスタムは不要)、寒さの深まっていくこの時期は、ぜひホットでお試しいただきたい。
えびアボカド サラダラップ/484円
2021年12月1日にリニューアル発売された「えびアボカド サラダラップ」。豊富な野菜が入った商品として、以前から取り扱いはあったのだが、使用するエビの種類やソースの割合が変更され、よりおいしくなって登場したのだ。
実際に食べてみると、大ぶりのエビが口の中でぷりっと弾ける。細かく切られたカリフラワー、れんこん、にんじん、玉ねぎはオーロラソースで和えられていて、それぞれの食感がしっかりしており、ボリュームがあった。それらをギュッとまとめているのがアボカドとポテト。この2つがとにかくクリーミーで、味をうまく調和させている印象だ。
レタスや紫キャベツのシャキシャキとした食感も相まって、全体的にフレッシュでありながらも、食べ応えのあるラップとして仕上がっている。あくまでもエビとアボカドが主役だが、そのほかの具材もしっかりと“名脇役”として活躍していた。具沢山なので、栄養素を摂るといった意味でも朝食におすすめしたいメニューである。
ソイハンバーグ イングリッシュマフィン/440円
全粒粉入りのイングリッシュマフィンに、ソイハンバーグとほうれん草がサンドされているこちらの商品。実際に食べてみると、まず食感に驚かされた。言われなければ、本物のハンバーグだと信じて食べ進めてしまいそうなクオリティだ。だが、それでいて肉特有の悪い意味での野性味はなく、後味がフレッシュなので、重たいものがつらいときに頼んでみるのもいいだろう。
注目はパティだけではない。一緒に挟まっているマスタードソースと、ほうれん草入り豆乳クリームフィリングは全体の味をうまくまとめており、このソースの調和がソイハンバーグの持つ大豆特有の香りを隠してくれている印象があった。豆乳クリームフィリングはまるでマヨネーズのようにクリーミーで、タルタルソース味のハンバーガーを食べているような感覚があった。
ちなみに、今回は二等分にし、片方をそのまま、もう片方を電子レンジで加熱して試食したのだが、温めた方がよりリアルに近い“肉感”があった。店頭で召し上がる際は、ぜひ加熱をお願いしてみてはいかがだろうか。
キャラメルトフィースコーン/297円
キャラメルシロップとキャラメルチャンク、そして隠し味としてコーヒーが練りこまれているこちらの商品。生地自体の甘さは控えめで、一口目はスコーン特有の食べ応えのある食感なのだが、食べ進めているとしっとりとした箇所も現れた。飽きさせないように、食感の変化をかなり計算された生地のようだ。
上にかかっている香ばしいキャラメルコーティングは、見た目に反してさほど甘くない。さらに、その上に散りばめられているカリカリとしたキャラメルトフィーは塩気があり、独特な食感を楽しませてくれるとともに、味全体をうまくまとめている感じがあった。
甘そうな見た目とは裏腹に、深みある大人な味わいといった印象の「キャラメルトフィースコーン」。これなら、甘党ではない方でもおいしくいただけるだろう。逆に甘さを強めたい場合は、キャラメルソースの追加カスタマイズをお願いするのもおすすめだ。
――冬のスタバには注目の商品が多数ある。気になったメニューがあればぜひお試しいただきたいし、独自のお気に入りカスタムを生み出してみるのもおもしろいだろう。それぞれの楽しみ方でスタバを利用して、寒い季節を乗り越えてほしい。
※情報は2021年12月17日現在のものです。