気持ちを変えると声紋も変わる
筆者の声紋分析は込田さんの話を集中して聞いていた流れでの結果であり、その点が顕在意識(ターコイズからイエロー=時計の2~6時の外側)として大きな波形となったが、内側の潜在意識では波形が出ておらず、人の話を聞くことやリーダーシップが本能的には備わっていないようだ。会社経営など絶対にできないフリーランスの筆者は大きくうなずかされた。
試しに、「取材であることを忘れ、プライベートで込田さんと遊んでいる」という感覚に頭を変化させてみた。一服してコーヒーを飲み、リラックスしてから再び声紋を分析してもらうと、波形に小さな変化が表れた(上図右チャート)。先ほどはなかった分析力と客観性の潜在意識(ネイビー&ブルー=時計の12~2時)が、小さいながらも表れてきたのだ。
「最初は(取材で)緊張していたのが、ややリラックスしましたね。先ほどは隠れていた分析力が潜在意識に出てきました。リラックスすると、より一層頭が冴えるタイプのようですので、今の感覚の変化を覚えておき、緊張されたら意識的にリラックスしてみてください。家でお酒を飲みながら仕事を考えると、仕事がよりおもしろくなります」(同)
確かに、先ほどよりも楽しさやワクワク感が増した感じがする。このテンションの変化をマスターすれば、馬券の的中率も高まるかもしれない。
ちなみに、込田さんが某声優の声紋分析を行ったところ、男性の声・女性の声・大人の声・子どもの声で、意識の変化が如実に表れたという。役ごとに意識を変える声優ならではの分析結果だったそうだ。
筆者の場合、「潜在意識と前意識では直感力が強いので『直感で生きているのだ』と意識すると、ひらめきが増えてくると思います」(同)とアドバイスを受けた。ストレスが少ないとも言われたが、確かに脳天気な性格で思い悩むことは少ない。
ストレス軽減にも役立つ声紋分析
この声紋分析で判別できることはいくつもあり、また応用することもできるという。
「本来の自分(潜在意識)と日常の自分(顕在意識)が合わないと、それだけストレスが溜まります。たとえば、潜在意識でターコイズ(相手軸)が強い人は人の面倒見がよく、誰かのためになりたいという欲求が強いのですが、面倒を見たい人がいなくなると、うつっぽくなります。あるいは、潜在意識でイエロー(自分軸)が強い人は自分を出したいのに、組織の歯車になってしまうと仕事が楽しくなくなります」(同)という。