ライトグリーンのパッケージにレトロなロゴが入った「ウタマロ」シリーズ。汚れがよく落ちる石けんとして65年の歴史を持つ「ウタマロ石けん」。2020年には年間1300万個を売り上げ、「2秒に1個売れる」といわれるほど人気のロングセラー商品である。
そんな「ウタマロ」の液体シリーズとして3商品が加わったのがおよそ10年前。そのなかのひとつ、「ウタマロクリーナー」がガンコな汚れもガンガン落とせるとSNSなどでも評判になっているのだ。
「ガンコな油汚れ、水アカなどをスッキリ落とす中性のマルチクリーナー。素手でも使えて、家中のお掃除がこれ1本でOK。」
公式サイトなどではこう謳われており、例えばキッチン、バスルーム、トイレ、窓、換気扇など幅広く使えるらしい。口コミでも「キッチンから洗面所お風呂などどこでも使えるし良く汚れが落ちるのでかなり気に入りました」「石けんが良かったのでクリーナーも購入してみましたが買って正解商品でリピしています」など、絶賛する声が多くあがっている。
だが、懸念点もある。まず、アミノ酸系洗浄成分を主に配合する中性クリーナーという点。中性クリーナーは手肌が荒れる心配が少なくて済む半面、弱アルカリ性洗剤と比べて洗浄力に劣るもの。本当に家中のどこでも掃除ができる汎用性があるのか、疑念が拭えない。
そこで今回は、実際に「ウタマロクリーナー」を使って家の中を掃除し、洗浄力や使い勝手を検証していきたい。
キッチンのシンクに使用
「ウタマロクリーナー」の裏面には、しつこい油汚れ・水アカ・湯アカ・手アカをしっかり落とすとの記載がある。例えばキッチンと浴室でそれぞれ別の洗剤を使用している人は多いだろう。だが、しつこい油汚れや水アカ、湯アカなどが本当にこれ1本で落ちるなら、兼用できることになる。
さっそく試してみよう。最初はキッチンのシンク。
ご覧の通り、シンクのコーナー部分には簡単には落ちなそうな水アカ汚れが……。使い方は簡単。スプレー先端部矢印の位置に「ON」をあわせ、汚れに直接スプレーする。
スプレーしてみると、さわやかな香りがして、洗剤特有の匂いはほとんどしない。ひどい汚れのときは5分ほど放置すると汚れが落ちやすくなるとのことなので、このまま5分間待ってみることに。
5分経ったので、軽くスポンジでこすって水で流す。
するとどうだろう、掃除前と比較して見違えるほどすっきりと水アカが落ちた。中性クリーナーでも充分に洗浄力はあることが実証されたわけだ。
電子レンジ扉の内側に使用
次に電子レンジ扉の内側。
料理を温める際にはねた油が、扉の内側にびっしりとついている。先ほどと同様にスプレーして5分ほど放置してみよう。
5分経ったのでキッチンペーパーで拭ってみると、キッチンペーパーが黒くなるほどの油汚れが拭き取れた。
予想以上に汚れが多く3枚ほどのキッチンペーパーを使用してなんとか拭き切ったが、それだけ「ウタマロクリーナー」が蓄積した油汚れを浮かせてくれた証拠とも言える。目で見えるよりたくさんの汚れを落としてくれたようだ。
ただ、汚れが落ちず残っている箇所も見受けられる。キャッチコピーで「ガンコな汚れも簡単キレイ」と書かれているが、さすがに年季の入った油汚れのなかには、「ウタマロクリーナー」でも落とせないものはあるようだ。
洗面台の排水口に使用
続いて洗面台の排水口。
黒ずみが目立っていて、ぬめりもある状態だ。こちらは先ほどの掃除箇所よりは軽度の汚れのため、放置時間を30秒に短縮してみよう。
洗剤をスプレーしてから30秒経ったので、たわしで軽くこすって水を流してみる。排水口の周りにもスプレーしたため、全体的にピカピカになったことがわかる。
黒ずみもおち、ぬめりも一切残っていない。掃除時間は約1分しかかからないため、かなる手軽にできた印象である。
バスルームの扉に使用
お次はバスルームの扉。
浴室の扉などに付く赤カビと黒カビを掃除してみよう。そもそも、カビに効果があるとは書いていないため、あまり期待せずにスプレーをして5分放置。
スポンジで軽くこすってシャワーで流した後がこちらだ。
どうだろうか。黒カビは少し落ちただけで目立ったものは落とすことができなかったが、赤カビはすっかりなくなっている。赤カビやできたばかりの黒カビであれば、「ウタマロクリーナー」で充分キレイになりそうだ。
窓ガラスに使用
最後は窓ガラス。
窓ガラスにはシールをはがした跡が残っており、別の洗剤を使用しても落ちなかったガンコな汚れだ。
窓ガラスを拭くときには、1平方メートルあたり3スプレーほどを使用するのが目安とのこと。
3スプレーした後、5分ほど置いてから硬く絞った雑巾でふき取ってみる。
一度だけの拭き取りでは泡を広げただけになってしまったため、水拭きを5度ほど繰り返してから、乾拭きで仕上げてみた。しかし泡を完全に落としきることはできなかったため、最終的にはバケツに水を汲み、室内が濡れるのを承知で窓ガラスを洗い流す。
掃除後はシール跡などの汚れが落ちとてもキレイになったが、泡の拭き取りに相当労力がかかるため、日々の掃除として行うのは難しそう。スクイージーなど早く泡を取るための道具を活用すれば、もう少しラクにはなっただろう。
完全に万能ではないが…確かにすごい!
家中の汚れを「ウタマロクリーナー」1本で掃除できるのかを検証してきたが、油汚れや水アカ、水場の黒ずみ、赤カビまでキレイにしてくれることがわかった。しかも手肌についても荒れることもなく、良い匂いがするため、掃除中に不快な思いをすることがなかったのも好ポイント。さらに、スプレータイプで手軽に掃除できるところも魅力だ。
窓ガラスなど、掃除が難しい箇所がある点を加味しても、総じて掃除が手軽に短時間で行うことができるアイテムと言えそうだ。時短&快適に家中を掃除したいとき、ぜひ「ウタマロクリーナー」を試してみてほしい。
(文=うらま/A4studio)