細かいものを見続けたり、何かを注視し続ければ目が疲れるのは当たり前だ。しかしPC等のディスプレイを見たせいで疲れる理由には、もう1つ「ブルーライト」という犯人がいるというのが最近の定説だ。ブルーライトというのは、400nm前後の波長の光で、可視光線の中では紫外線に近い部分のことを指している。LEDバックライトのディスプレイで特に多く出る光で、このあたりの光は網膜にまで到達して疲れ目やかすみ目、ドライアイといった目の不調につながったり、睡眠の質を悪化させるのだという。
この主張自体に医学的な根拠がないという人もいるが、ブルーライトカットメガネを一大ブームに押し上げたJINSは、このメガネについて眼科専門医と共同研究したメガネだとしている。企業単位で導入した場合の効果についてのレポートなどもあるから、参考にしてみるとよいだろう(http://www.jins-jp.com/jins-pc/performance/)。
実はかなりいろいろなところで買える
JINSは度の入っていないメガネをパッケージに入れて、店頭ですぐに購入できるようにした「JINS PC」をリリースしたことで、ブルーライトカットメガネの分野のトップメーカーになった。また、比較的安価な価格で手軽にメガネを購入できるブランドとして、JINSとともに人気のあるZoffでも「Zoff PC」と名付けて似たような製品を送り出している。
しかし実は、青い光や紫外線をカットする技術というのは以前からあった。そのため、JINSやZoff以外でもブルーライトをカットする機能を持ったメガネは購入できる。もし愛用しているメガネ店があるのならば、そちらで相談してみてもよいだろう。
好きなフレームで度アリ/ナシ対応可能
ブームになった当初は、決まったフレームにセットされた度なしのメガネしかなかったが、その後で度の入ったレンズにできるオプションも登場した。結果として、今は店頭で好きなフレームを選択して、素通しでも度つきでも指定したレンズにブルーライトカット機能を足せるかたちだ。
また、レンズの色についても選択できるようになっている。最初に出たものは薄く茶色がかっているレンズだったが、その後で透明なレンズも登場した。ブルーライトをより多くカットするのは茶色いレンズのほうなのだが、見栄えを気にするならば透明レンズのほうを選ぶとよいだろう。
<色つき/透明レンズのブルーライトカット率の違い>
・JINS
http://www.jins-jp.com/jins-pc/lineup/?cat=All
・Zoff
http://www.zoff.co.jp/sp/zoffpc/point
使ってみたら効果はある?
では、使ってみた時の効果はどうなのか。各メーカーがその効果を紹介するコンテンツを提供しているが、筆者自身や周囲が使っている感想を紹介しよう。
まず筆者は視力が悪く、普段からメガネをかけている。度入りの「JINS PC」を茶色のレンズでつくり、仕事にかかる時に普段のメガネとかけ替えるという使い方だ。かけた直後は確かに色が違って見えるのだが、すぐに慣れる。昼食くらいはそのまま出かけてしまっても違和感はない。そして、かけ替え忘れた日は午後になるとまぶしい、目が疲れた、なんだか見づらい、と感じてメガネを交換していないことに気づく。つまり、そこそこの効果はあるという実感だ。
同じく視力の悪い同僚は、度入りの透明レンズでつくり、普段から使っている。こちらも以前より眼精疲労からくる頭痛が減り、目やになども出づらくなった、疲れづらくなったと感じているという。もう1人、元は視力が悪かったがレーシック手術を受けて視力自体は向上したという人は、茶色の度なしタイプを時折かけている。目が疲れた時と、ドライアイが強く出ていると感じた時にかけると改善を感じるそうだ。
いずれも劇的な効果を感じるというよりは、使っていないと少しつらいことに気づくという程度ではある。しかし以前より目薬や頭痛薬を使う量が減ったのは確かな実感だ。
PCの設定も目にやさしく
PCメガネをつくらずに済ませたい、またはPCメガネを使っているがもっと目を楽にしたいという人は、PCの設定を変更してみよう。たとえばディスプレイの輝度を落とすとまぶしさが減り、目は楽になる。エコモードがあるなら、それにすると簡単に輝度の低い設定ができる。
真っ白な背景、明るい色の背景というのはブルーライトを多く発していることになるらしいので、背景色を変更してみるのもよいだろう。黒背景に白文字、薄いグレーの背景に濃いグレーの文字など、目が楽に感じられる色設定をしてみるとよい。特に白黒の反転は、比較的簡単に指定できるアプリケーションが多い。
また、根本的な問題として、あまり画面を見続けないことや、適切な休憩をとることも忘れないでほしい。目を酷使する人は若くして老眼の症状が出やすいともいうから、ぜひ自分の体をいたわりながら各種デバイスを使うようにしよう。
(文=エースラッシュ)