80万人以上の参加実績を誇る合コンセッティングサービスの創設者であり、婚活総合サポート、ラブ・ライフバランス研究所を運営するRUSH代表取締役・水野真由美氏に、婚活を成功させる秘訣について話を聞きました。
出会いが交際に発展しない人の特徴
–最近の傾向として、お見合いや合コンで出会った相手から、「また会いたい」との誘いを受けても、その後1回会っただけで次につながらないケースが多いと聞きますが、なぜ1回のデートで終わってしまうのでしょうか?
水野真由美氏(以下、水野) 1回目のデートは、お互い最も期待感を持って出かけますよね。そういう相手の気持ちを察して臨めばいいのですが、相手に対する期待感ばかりで、自分自身のことがおろそかになりがちな男女が多いです。
–具体的にはどのようなことに気をつけるべきでしょうか?
水野 最初の出会いで、「また会いたい」と思うのは性格、話しやすさ、外見的な好み、経歴など、好感を得るポイントがあるか否かが焦点となります。ところが、実際のデートになると、ポイントが「一緒にいて違和感がないか、楽しめるか、話は弾むか、気遣いはあるか」などに変わってきます。そのことを認識していないために、ここで好感度を下げてしまう人が多いのです。わかりやすいところでは、服装が挙げられます。例えば、お見合いにはスーツやワンピースを着ていることが多いので、それほど違和感なく会うことができますが、「デートに着てきた服を見てがっかりした」という意見が驚くほど多いのです。
–服装だけでデートが台なしになったりするのですか?
水野 「なんとか気持ちを立て直してはみたけれど、一緒に歩きたくない」「清潔感がなくて嫌だった」「相手がデートに普段着で現れ、お洒落してきた自分が悲しくなった」など、女性が密かに訴えている声に耳を傾けてみてください。見た目は自分が思う以上に相手にインパクトを与えるため、服装に気を使っていなければ、会った瞬間からネガティブなイマジネーションが増幅してしまうのです。
一度気持ちが後ろ向きになると、何をしても面白くありません。せっかく練ってきたデートプランも台なしです。会話も弾まず、「ご縁が無いようです」との結果になります。男性のみならず女性もですが、TPOに合わせた、相手に心地よさを与える服装を心がけましょう。
一言話すように心がけるだけで好転する
–デート中にギクシャクすることがあるのは、どこに原因があるのでしょうか?
水野 一緒に歩いているのにお店に着くまで無言とか、どうしたいのかさっぱりわからない状況に陥ると、間違いなくギクシャクしますよね。
–そのような時の対応法はあるのでしょうか?
水野 例えば、歩きながらでも、「あと5分くらいでお店に着きます」とか、映画であれば「自分がチケット買ってきますね」など、今どういう状況にあるのか言葉で伝えるとよいでしょう。状況を理解できれば、相手も安心して心を開きます。しかし、このたった一言がないために、相手はどうしていいかわからず、口を閉ざしてしまうのです。
–これは男性がリードすべき場面ですね。
水野 そうですね。リーダーシップは男性に委ねられることが多いので、自分の意思が伝わる一言をかけてあげるように心がけましょう。食事の場面でも同様です。
–食事の際は会話が最も弾む場面だと思いますが、そうでもないのでしょうか?
水野 ぎこちなくなる場合は伏線があるものです。例えば、自分の食べたいものだけサクサク決めてしまったり、「好きに決めてください」とすべて相手に委ねてしまったりした場合です。「〇〇はどうですか?」「これ、おいしそうですね。お好きですか?」「僕が決めてもいいですか?」など、具体的な提示をしてみましょう。まだ親しくない間柄の場合、とにかく、今の状況・希望・思いを具体的に言葉にすることです。ぎこちなくなるのは、相手が“どうしていいかわからなくなっている”のです。
–確かに、そのような男性は多いかもしれませんね。
水野 デートの終わりも「それじゃまた」などと、なんとなく別れるのでなく「今日は楽しかった」とか「次、いつ会えますか?」など具体的に伝えることが重要です。「わかりやすいこと」が、結果として「気持ちをつながりやすく」します。弊社の会話塾やカウンセリングで会話のコツを学ぶだけで成果を上げる男性は多く、ちょっとしたコミュ力の有無が恋愛成就の分かれ目だと実感します。
元々男性は女性と比べ表情に乏しいので考えが伝わりにくく、言葉で伝えないと相手には理解できず、敬遠されてしまうそうです。気持ちが通じ合わない相手と一緒に過ごすのはやがて苦痛となり、断ってしまおうという意思が働くのだと言います。
コミュ力が無い、つまり自分の意思の伝え方がわからない人は次につながりません。恋愛においては、気持ちを言葉に出すように心がけることがポイントとなるのです。
(文=尾藤克之/経営コンサルタント)