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2023.07.08 02:12
2015.01.13 00:06
石堂徹生「危ない食品の時代、何を食べればよいのか」(1月13日)
農業の大規模化・企業参入促進という愚行 経済・雇用・食料自給率に打撃、自然資源劣化も
●日本もパラダイムシフトを
前出の関根氏は、次のように指摘した。
「大規模化を目指す日本の農政は、小規模家族農業の役割を重視する国際社会の潮流に逆行している」
今や世界の農業政策は、かつての農業の近代化によって小規模家族農業は消滅し、農業は大規模化・企業農業化するという考え方(1980年代型途上国発展モデル)から、小規模家族農業重視へと転換している【編注3】。日本はまさにその“農業近代化路線”によって、「食料自給率低下」「高齢化・後継者不足」「耕作放棄地増加」「限界集落・鳥獣被害問題」などを招いた。
それにもかかわらず、「農業経営の規模拡大」「企業の農業参入促進」「TPP参加で国際競争に耐えられる経営育成」「農産物・食品輸出で農業所得倍増」と、旧態依然の新自由主義的な農業成長モデルにしがみついたままだ。ただ日本には有機・自然農法や産消提携(生産者と消費者の結びつき)、里山保全など、世界に誇れる実践の歴史があるという。
関根氏は「日本農業の未来の鍵は、新自由主義を超えた説得力(正当性)を持つモデルを具体的に示すことにある。日本もパラダイムシフト(価値観・発想の転換)が必要ではないか」と、呼びかけた。
(文=石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト)
【編注1】農林水産省「2009年度食料・農業・農村白書」(10年6月)
【編注2】原弘平『2014国際家族農業年―今問われる『家族農業』の価値」』(「農林金融 14年1月」/農林中金総合研究所)
【編注3】関根佳恵「なぜ今、国際家族農業年なのか?」(オルター・トレード・ジャパン報告/14年6月など)
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