そんな肥満や糖尿病という悩みを持つ方々にうってつけなのが、体や健康に関して深い知識がない人でもすぐに実践でき、かつ効果の高い方法を網羅した一冊、『好きなものを食べても太らない・病気にならない 帳消しメソッド』(髙橋弘/日本実業出版社)だ。
そこで今回は、本書の著者で米ハーバード大学医学部元准教授の医師、髙橋弘氏に、
・好きな物を食べても健康的に痩せられる食事方法
・高カロリーのラーメンや焼肉の正しい食べ方
・ダイエットと健康に効果を発揮するファイトケミカルとは?
について話を聞いた。
執筆のきっかけは自分の肥満
–本書では、食習慣の改善や生活上の工夫で簡単に体重を落とせる内容を紹介されていますが、執筆に至った経緯を教えてください。
髙橋弘氏(以下、髙橋) 執筆した理由は2つあります。1つは、以前肥満体だった自分自身がダイエットに成功したこと。今から約15年前に私がハーバード大学の病院に勤めていた頃の話になりますが、渡米前は75キロ前後だった体重が、日本に帰国した頃には90キロ近くにまで増えていたのです。日本よりも皿の大きさからしてひと回りもふた回りも違うハイカロリーな料理で、体重が増えてしまったのです。そこで、帰国を機に減量を決意しました。もともとチャレンジが好きな性格なので、ダイエットに関しても、さまざまなことを実践していきました。
–健康を一番に考える医師という立場でも、他国のボリュームの違う食文化に触れることで、きがつかないうちに体重が増加してしまったのですね。
髙橋 実践したダイエット方法が、体重を無理なく落とせたのは大きな発見でした。もう1つのきっかけは、日々の診察でメタボや糖尿病で悩む患者さんに「簡単で楽に痩せられる方法」を伝えていましたが、来院されていない方にも広く知ってもらいたいと思ったことです。「痩せる」という言葉を口に出すだけならば簡単ですが、実際に痩せるのはいかに大変で苦労することか、自ら体験したからこそ理解でき、また対処法も確実なものをお伝えできると思っています。