健康的に痩せるためには、食事に「ベジファースト」を取り入れる
–本書のタイトルにもなっている「好きなものを食べても帳消しにできる」食事方法を教えてください。
髙橋 ラーメンや焼肉などは、肥満体質の人は漏れなく大好きなメニューでしょう。他人からすると「ダイエット中ならば、食べなければいいのに」と思うかもしれませんが、食べることが好きな人や生きがいとなっている人たちからすると、制御できないのが正直なところでしょう。また過剰な食事制限や急激なダイエット計画は長く持続しません。かくいう私も、ダイエット中でもラーメンや焼肉などを食べていましたが、ここにひと工夫加えることがコツなのです。糖質や油分など、カロリーが多く含まれるものを摂取する場合に重要なのが「ベジファースト」、つまり野菜を先に食べるということです。
–具体的に、ベジファーストは、どのような効果があるのでしょうか?
髙橋 野菜から先に摂取することによって、食後の血糖値上昇を抑えることができます。炭水化物から食べると血糖値は上がりやすく、さらに上がった血糖値を下げるために体内でインスリンが分泌されるわけですが、インスリンにはカロリーやエネルギーを体脂肪(中性脂肪)に変える働きがあるため、食べたものが皮下脂肪などとして体内に残りやすくなります。そこで野菜を先に摂取することは、インスリンの急激な分泌を防ぐ効果があるのです。
–たとえインスリンで一時的に血糖値が下がったとしても、血液中のブドウ糖自体は脂肪として体内に残るということですね。
髙橋 はい。体には糖質や油分のカロリーだけがよくないと単純に考えがちですが、そうではなく「血糖値の上下」が、健康とダイエットには重要といえます。食べ物で具体的に説明すると、ラーメンを食べる際はタンメンや五目ラーメン、チャンポンのように野菜がたくさん入ったメニューをセレクトするように心がけましょう。ポイントとしては、まず麺を固めでオーダーし、取り皿も用意してもらいます。料理が提供されたら、麺を取り皿に移し、お酢をかけます。するとデンプンを消化するアミラーゼという酵素の働きが抑えられ、消化を遅らせることができ、血糖値が上がりにくくなるのです。そこから野菜本来の味を楽しみ、最後に麺をスープに戻します。酢によって風味も増すので、箸も進みます。
–焼肉の場合は白米の代わりに必ず野菜のサンチュにくるんで食べる、ということをオススメされていますね。
髙橋 焼肉の場合でもヘルシーに食べることが大切。私は、何人で食べに行ったとしても必ずサンチュは1人1皿注文するようにしています。さらにキムチなどでベジファーストすることを忘れず、カルビやロースなど脂質が多い部位は弱火でじっくりと焼き、網上でできるだけ脂質を落としてから食べます。またドリンクに関してですが、マッコリや韓国焼酎は糖質が多く、飲み過ぎると血糖値が上がりやすくなるので注意してください。