こうした騒動の影響もあってか最近一気に認知度が上がった感のあるモラハラだが、実は以前から離婚理由の上位に君臨している。
「モラハラという言葉ができる前は『精神的虐待(DV)』として立派な離婚理由でした。また、価値観や考え方の違いが夫婦の確執を生むという意味では『性格の不一致』がモラハラに当たっていることもあり、これはもっとも多い離婚原因です」(離婚カウンセラー)
そんなモラハラだが、高橋や米倉の例のように夫から妻に対するものでなく、妻から夫に対して行われることも珍しくない。
「35歳を過ぎたあたりから夫の加齢臭が気になるようになったので、毎朝シャワーを浴びてからじゃないとリビングに入らせませんし、口臭スプレーとデオドランドシートは常に持たせています。帰宅後も玄関から浴室に直行させ、入浴と着替えを済ませてからでないと部屋には入れません。脱いだ服をカゴに入れる時は消臭スプレーをかけてから。本当は別々に洗いたいですが、水道代や電気代がもったいないので我慢して家族のものと一緒に洗ってます。寝息が臭い時があるので寝る時はマスクをさせています。口臭防止のためにニンニクなどの香辛料を使った料理や体臭を強くする肉料理は家では食べさせません。『俺はバイキンか?』とたまに夫からキレられますが、やめるのは無理です」(41歳・女性)
「夫は昨年5月に部下との社内不倫がバレて会社をクビになってから、家族全員で夫を無視しています。再就職先は工場の派遣社員で、8時に出勤し18時に帰宅しますが、夫の食事は一切つくりませんし、洗濯など身の回りのこともしません。会話も用件を伝えるだけの最低限のみ。夫婦の部屋から追い出したので3畳ほどの物置で暮らしています。『こんな扱いをされるくらいならいっそ追い出してくれ』と言われますが、世間体や経済的なこともあるし、家族の送迎・犬の散歩・留守番・草むしり・ゴミ出しと使い道があるので置いています」(38歳・女性)
夫をしつける
どちらの話からも夫に対する愛情や尊敬の念など微塵も感じられないが、中には夫の尊厳を踏みにじるような事例も聞こえる。