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nanapiはなぜ”取材”をしない?けんすう流メディア運営

なぜnanapiは”取材”をしないのか? コストとクオリティのバランス

 先ほどの話に出てきたnanapiワークスには、何人くらいライターがいるんですか?

 登録されている総数で3,500人くらいだけど、アクティブなのは20~30人くらいですね。

 意外とアクティブ率が低い!

 確かにそうなんですけど、結局いい記事をたくさん書いてくれる人に案件を集中させてしまうので。

 報酬はどうやって払ってるんですか?

 「pex」というマイクロペイメントのサイトを使っています。独自のnanapiポイントをいったん付与し、それをpexポイントに変換できるというものです。nanapiとしては月に1回pexにまとめて支払えばいいという仕組みなので、管理コストは相当圧縮できていますね。

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 現在の記事の投稿本数は?

 月に1200~1500本くらいです。本当は月に1万件くらいまで増やしたいと思っているので、まだまだですね。

 それでも相当多いですね。前から気になってたんだけど、記事の内容について、クオリティ/コスト/スピードのバランスはどう考えていますか? 例えばサイゾーの記事は必ず関係者への取材やウラ取りもしていて、高いものだと1本何万円もかかるものもある。それとはまったく価値観が違うと思うんですが……。

 それはとても悩んでいるところです。昔は記事を作る上で、ソースを持ってくる人、それを記事にする人、などの役割を分けていたのですが、1本あたりのコストがかかりすぎてしまう。だから今は、nanapiワークスでは体験談的なテーマを主に書いてもらっています。「私はジップロックをこう使う!」という内容なら、正しい/間違っているではなく、個人の考えでしかないから掲載もしやすい。

 ただ、体験談だとしても、実は認識違いだったり危険なやり方だったりする場合もあるから、そのチェックも悩みどころではありますね。医療とかの専門分野については、監修を入れようかなとも思っています。

 なるほど、そこは難しい問題ですね。ちなみに最近ハピズムというサイトでハピズム辞典という占い用語の辞典を作ったんですけど。これは一括して外部の会社に300ワード分くらいの原稿を発注して、まとめてコンテンツをつくったんだけど、費用もそんなに高くはない。nanapiのようなコンテンツなら、おんなじことができるんじゃないかと思ったんですが。

 実は編集プロダクションに記事執筆をお願いしたこともあったんだけど、あまり期待通りにはならなかったのですね。編プロさんも、基本的には自分たちが持っているライターに投げているだけだから、クオリティのバラつきが出たり、フォーマットに統一感がなかったり。やり取りのコストが多くなってしまうので、だったらnanapiワークスでやったほうが管理もしやすいし、クオリティも保てるよねという結論に至りました。

 ちなみにハピズムを今見てるんだけど……超面白いですね(笑)。

 ありがとうございます。でも、すごく難しいんですよね、このメディア。占い専門だから、ユーザーの絞り方とか、PVの稼ぎ方とか、今までうちがやってきた手法が通じない。最終的には対面鑑定で商売にしたいんだけど、実際に占い師のところへユーザーを行かせるのってすごくハードルが高くて。そのギャップをどうやって埋めるか、日々頭を悩ませてます。

課題は回遊率

 さっきオフィスをのぞかせてもらったんですが、常に壁にGoogleアナリティクスのリアルタイム解析画面を映してるんですね。今、nanapiのサイト解析で重視している数字って何ですか?

 カテゴリごとに滞在時間やキーワード別流入数を細かくチェックしているけど、今いちばん気にしているのは回遊率(ユーザーの訪問ごとのPV)ですね。訪問者数は毎月1,000万くらいなのですが、PVだと3,300万くらいにしかなっていないので、そこが課題です。

 へー、訪問者数はうちの日刊サイゾーより少し多いけど、PVだとうちより少ないんですね。日刊サイゾーは最近、ページ分割をしたり、水着の女の子の写真をスライドっぽく見せる「美女ギャラリー」っていうのを作ってみたら、回遊率が一気に上がりましたよ。

 僕はあの美女ギャラリーは素晴らしいと思っています(笑)。サムネイルが美女の水着で、かつ胸のアップだったりするじゃないですか。あれはふざけているのではなくて、おそらくCTRや回遊率をあげるために最適化をし続けたらああなったんですよね。

 結局、欲望にダイレクトに訴えかけるのがいちばん良かったりしますからね。

 他の課題としては、今はnanapiの記事に直接来てしまっているユーザーが多く、トップページからの訪問はまだまだ少ない状態。nanapiというサイトを意識せずに来ている人が多いんですよ。なので、とにかくnanapiというサイトに名指しで来て、サイトを使ってもらうようにしたいと思っています。

BusinessJournal編集部

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