新型iPhone発表を前に、ソフトバンクは先手を打った。ソフトバンクは9日、スマホ購入時のサービス強化として新プラン「半額サポート+」を打ち出した。サービスの肝は、ソフトバンクの回線を契約しなくてもスマートフォンを購入できるということ。一見、他社のキャリアでも使えるスマホを販売し始めたように見える。だが実態としては10月1日より、大手携帯キャリア各社に対して適用される総務省の新しいガイドライン「携帯電話の通信と端末の分離」の「抜け穴」を利用したものだった。果たして、新プランはユーザーにとって歓迎すべきことなのか有識者に聞いてみた。
「回線」と別売りで「割引2万円上限」を回避
今回の新プランはソフトバンクが従来実施してきた「半額サポート」を改良した。「半額サポート」は4年契約の割賦契約でスマホを購入し、2年間利用した後、「ソフトバンクで機種変更」した上で「利用中のスマホを返却」すれば、残った支払いの最大2年分が免除になる仕組みだ。
今回の「半額サポート+」は、このサービスの「機種変更」の部分が「ソフトバンクから新しいスマホを購入」に変わったのだ。どういうことなのか。ITジャーナリストの三上洋氏は次のように述べる。
「10月1日から改正電気通信事業法が施行され、新しい省令・ガイドラインが始まります。新ルールの1つとして『通信サービス(回線契約)とセットで販売するスマホの割引は2万円まで』という制限を設けました。大手携帯電話会社が大幅なキャッシュバックをつけて端末を販売し、自社回線でしばるといったこれまでの販売手法をとれなくする内容です。しかし、ソフトバンクはこれを逆手に取り、回線と端末を別に販売することにしたのです。今回の『半額サポート+』はソフトバンクの回線契約を必須としていません」
端末・回線とセットのプランではキャッシュバックを含む割引は2万円までだが、あえて回線契約をセットにしないことで「端末のキャッシュバックは上限2万円」を回避して売り出すことができるようになった。確かに回線とは別にスマホ自体を購入しているのだから理論上、回線はauでもNTTドコモでも、新規参入予定の楽天モバイルでもユーザーは自由に選ぶことができるはずだ。
しかし、それでユーザーが万々歳ということにはならないようだ。三上氏は次のように、今回のサービスの問題点を指摘する。