今度は援交狩り! 続出する「LINE」トラブル ツールを変えて現れる美人局最新版
(「LINE HP」より)
報道によると、4月6日、富山県で美人局事件が起きた。14〜16歳の少年少女4人が共謀して、スマートフォンの無料通話アプリ「LINE」で知り合った21歳の無職男性から、現金6万円を脅し取ったという。
まず、犯行グループの1人である女子中学生が「LINE」上で知り合った男性を深夜、公園に呼び出した。その後、少年が姿を見せ、男性に暴行を加えて現金を奪い取っている。
2012年11月には、京都府で美人局事件が起きた。こちらは、スマートフォンの無料通話アプリ「斉藤さん」が舞台となった。少年少女が共謀し、「斉藤さん」で知り合った男子大学生から現金を脅し取っている。
美人局自体は昔からある犯罪だが、テレクラや出会い系サイトの誕生とともに復活した。とりわけ、出会い系サイトの影響は大きい。中高生を相手とした援助交際が“気軽”に行われるようになる一方で、援助交際をする大人を狙った「援交狩り」と呼ばれる美人局事件が起きるようになった。
時期的には、03年頃から出会い系サイトを舞台とする美人局が急増している。警察庁調べによると、03年上半期には、出会い系サイトに関連した検挙件数自体は減っている一方で、美人局による強盗・恐喝が急増していた。
「援交狩り」の特徴は、被害者が泣き寝入りすることが多いという点だ。被害者も援助交際という、本来、良くないこと(場合によってはこちらも犯罪)をしているので、恐喝をされても表沙汰にしにくい。公表されている以上に、実際の被害者は多いものと思われる。
また、「援交狩り」は少年少女による稚拙な犯罪というイメージも正しくない。「援交狩り」を行うグループによっては、マニュアルを作って組織的に犯行を繰り返し、現金だけでなくクレジットカードや消費者ローンカードを脅し取るケースもあったという。
ところで、こんな変わった美人局事件も起きている。
12年7月には、出会い系サイトを舞台に元タカラジェンヌが美人局に加担するという事件があった。この元タカラジェンヌは暴力団組員と共謀して、男性から現金を脅し取ろうとしたとされる。
08年には、警察官が美人局の被害者となっている。この警察官は出会い系サイトで30代女性と知り合ったが、その後、彼女の仲間から暴行を受け、現金を奪われている。
現代版の美人局は、テレクラ、出会い系サイト、無料通話アプリと、舞台を変えながらも存在し続けている。そもそも、いかがわしいことをしなければ美人局にも遭うことはないわけだが、どうしても欲求に抗えない人は、せいぜい気をつけてもらいたい。
(文=宮島理/フリーライター)