AIの脅威は、すぐそこまで迫っている
店頭で接客をしたり、車を自動で運転したり、AI活用の場は日々増え続けている。最新でいえば、「政府は宇宙開発に助成金を出すべきか」をテーマに、人間のディベートチャンピオンと対戦したAI(人工知能)が勝利したことが話題になった。これは、人間にとって脅威でしかないのではないか。これからの時代、AIがビジネスの現場に参入してくることは確実。ならば人間は、どうやってAIに立ち向かえばいいのだろうか。
『人材を「人財」にアップデートする新しい手法と5つのポイント』(株式会社ヒューマン・ブレーン 田中隆司・新谷典子著、ダイヤモンド社刊)では、AI時代の到来を見据え、企業に必要とされる人財となるための新しい人材育成手法と事例、そのポイントが紹介されている。
グローバル人材は、「集める」から「育てる」時代へ
今、企業は新たな人材を「集める」のではなく、既存の人材をしっかり「育てる」という考え方にシフトしている。なぜなら人口減少の問題から、文化や言語、専門性を兼ね備えた優秀な人材はどの企業も確保しようと躍起になり、新たな採用は現実的ではないからだ。とすれば、既存の人材をどう育むかは、企業にとって今後重要な課題となる。
著者が行なう人材育成では、英語を使った高度な研修をしつつ、専門性を担保するため教育機関や専門講師と連携し、法律や医療などの専門家、システム開発の専門家などとコラボレーションした研修を提供しているという。
企業にとって重要な「人財」となるために必要なこと
著者によると、多くの企業が求める、グローバル人材に必要な力として挙げているのは、「共感力」「デザインシンキング」「自ら課題を見つけ出す能力」、そして、「どんな環境でも成果を生み出せること」であるといい、本書ではこれらを身につけるためのユニークな事例、具体的な手法を豊富に紹介している。
方法次第で、人はまだ成長できる
数々の人材育成現場を通して、人間に本来備わっている能力を磨くことで「人材は「人財」にアップデートできる」と確信する著者。
経営の神様と称される松下幸之助も、「人間は磨けば輝くダイヤモンドの原石」と言っている。現代社会に必要とされているのは、まさにこの言葉どおり「磨けば光る、人間力の高さ」ではないだろうか。
私たち人類がAIに勝てる“チャンス”は、きっとまだ十分に残されているはずだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。