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ドコモ新料金プランirumo・eximoは改悪か…実質的な値上げに要注意

文=Business Journal編集部、協力=石川温/ITジャーナリスト
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NTTドコモのHPより

 2021年3月からスタートしたオンライン専用料金プラン「ahamo」の契約数が今月、500万契約を突破するなど波に乗るNTTドコモ。20日には新料金プラン「irumo(イルモ)」「eximo(エクシモ)」を発表したが、一部では「わかりずらい」「改悪」といった不評の声もあがっているようだ。どのようなユーザが加入すると、より大きなメリットを受けられるプランなのか。また、従来のドコモおよび他社の同等内容の料金プランと比較して、どのような点がお得になったといえるのかを検証していく。

 ドコモはirumoについて、「音声プラン、ISPサービス、データ通信をワンパッケージにした料金プランです。データ量を0.5GB、3GB、6GB、9GBの中からお客さまのご利用状況にあったプランをお選びいただけます」と説明。irumoについては「多様なサービス、機種、料金サービス、設定などに関するサポートやスマホ教室などの店舗ならではの丁寧なサービスなど、フルスペック・フルサポートで提供」と説明。あえて大まかに色づけをするならば、irumoは月々の通信量が少なく、料金を抑えたいライトユーザー向けで、一方のeximoは大容量利用ゆえに使い放題によって料金を抑えたいヘビーユーザー向けといえるかもしれない。

 irumoは月間データ通信容量500MBが550円、3GBが2167円、6GBが2827円、9GBが3377円となっている(500MBプランのみ4G通信、最大通信速度3Mbps)。3GB以上のプランでは、dカードお支払い割(ビジネスメンバーズ割)で月々187円、「ドコモ光セット割」または「home 5Gセット割」で月々1100円の割引適用を受けられる。irumoの提供開始にあわせ、エコノミーMVNOの「OCN モバイル ONE」の提供を6月26日をもって終了するため、これに替わるものという位置づけだとみられる。

 eximoはデータ通信量に応じて月額料金が変動し、1GBまでは4565円、1GB超~3GBは5665円、3GB超は7315円。「dカードお支払割」か「ビジネスメンバーズ割」で月々187円、「みんなドコモ割」で月々最大1100円、「ドコモ光セット割」か「home 5G セット割」で月々1100円の割引を受けられる。ドコモショップで初期設定サポート(データ移行:1回2200円)やアプリ設定サポート(1回1650円)などを受けられるのも特徴。eximoの提供開始に伴い「5Gギガホ プレミア」「ギガホ プレミア」「5Gギガライト」「ギガライト」は6月30日をもって新規受付を終了するため、これら既存の4プランを融合させたようなかたちとなっている。

「かけ放題オプション」「5分通話無料オプション」のどちからを選択可能

 両プランの共通点としては、国内通話料は30秒ごとに22円(eximoだと家族間は無料)で、国内SMS通信は送信が1回ごとに3.3円(受信料は無料)。国内通話料金が無料となる1980円の「かけ放題オプション」、5分以内の国内通話が無料(超過分は30秒ごとに22円)となる880円の「5分通話無料オプション」のどちからを選択可能となっている。

 このほか、irumoでは「爆アゲ セレクション」で「Disney+」か「ネットフリックス」を契約するとdポイントが10%還元。eximoでも条件を満たすと各種映像配信サービスの料金に対して10%~25%のdポイントが付与される。

「率直な感想として『わかりずらい』というのが第一印象で、ユーザは自分がどのプランを選べば今よりお得になるのか、逆に値上がりするのか、判断が難しい。ドコモとしては7月1日付けでMVNOの『OCN モバイル ONE』を提供するNTTレゾナントを吸収合併するタイミングに合わせて、これまで乱立状態だった料金プランを『ahamoプラス2つ』の計3つに集約させてスッキリさせたいという意図があると考えられる」

ドコモユーザーが他社に逃げないための囲い込みプラン

 今回の新料金プランをどう評価すべきか。ITジャーナリストの石川温氏に聞いた。

――どのようなユーザが加入するとメリットを受けられるプランなのか。

「ドコモユーザーで、データをあまり使っていない人向け。これまで7GBまでの『ギガライト』は割高な料金設定だったので、自分の使っているデータ容量にあわせて、irumoのなかの容量を選ぶべき」

――従来のドコモおよび他社の同等内容の料金プランと比較して、どのような点がお得になったといえるのか。

「今回はドコモがUQ mobileやワイモバイルに追随してきた感じなので、他社と比べて優位というより、他社と同等になったという感じ。ドコモとしては『ドコモユーザーが他社に逃げないための囲い込みプラン』という戦略」

――逆にこれまでより劣る部分は。

「irumoは、これまで提供していたエコノミーMVNOの『OCN モバイル ONE』のプランを改良したものといえる。そのため、3GBの設定が従来は990円だったが、irumoだと割引を適用すると880円だが、割引を適用しないと2167円になるため、実質的な値上げともいえる。また、irumoとかeximoとか、名前がわかりづらい。もっとダサくていいから、わかりやすい名前にすべき」

(文=Business Journal編集部、協力=石川温/ITジャーナリスト)

石川温/ITジャーナリスト

石川温/ITジャーナリスト

スマホジャーナリスト。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。ラジオNIKKEIで毎週木曜22時からの番組「スマホNo.1メディア」に出演。近著に「未来IT図解 これからの5Gビジネス」(MdN)がある。
石川温のスマホNo.1メディア

Twitter:@iskw226

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