セリアのUSB-C延長ケーブル、規格違反でも問題ないの? 購入して検証してみた!

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スマホに付属するUSB-Cケーブルは1m程度のものが多く、AC充電器で充電するときに短かくて届かない場合もあります。そのようなときはセリアで110円の「超急速PD充電対応Type-C延長ケーブル」を利用してみましょう。ただし、“USB PD規格に違反しているのでは?”と指摘されているので、実際に筆者が購入して確かめてみました。果たしてスマホの充電に利用しても問題はないのでしょうか?

セリアの急速充電PD対応USB-C延長ケーブルってどんなもの?

iPhone 15シリーズが充電端子にUSB-C(Type-C)を採用してから、にわかにUSB-CケーブルやAC充電器が注目されるようになりました。

今回紹介する「超急速PD充電対応Type-C延長ケーブル」は、セリアで110円で販売されています。このケーブルは片方の端子がUSB-Cのメスになっており、通常のUSB-Cケーブルを延長することが可能です。

以前にも、100円ショップやAmazonなどでは、PD非対応のものや70cmの延長ケーブルが販売されていましたが、今回セリアで購入したものは急速充電USB PD(20V/3A=60W)に対応しており、ケーブルの長さは1.0mあります。

ただし、Alt Mode(オルタネートモード)に対応しておらず、映像や音声の伝送はできませんし、PD非対応機器に使用する場合は5V/3A=15Wまでの給電となります。

つまり、超急速PD充電対応Type-C延長ケーブルはデータ転送はできず、充電専用となっている点は注意しましょう。

ちなみに、USB PDとは“USB Power Delivery”の略。USB-IFというUSB規格を作成する団体が策定したUSB-Cの給電規格になります。

これによって、USB-Cの規格上は最大100W(20V/5A)の大電力供給(急速充電)を行うことも可能となっているのです。

こちらがセリアにおいて110円で販売されている「超急速PD充電対応Type-C延長ケーブル」。USB-Cケーブルを1.0mほど延長できます(筆者撮影)
写真右側が「USB-Cのメス」になっており、ここにUSB-Cケーブルを挿すことで延長できます(筆者撮影)
こちらが実際にUSB-Cケーブルを接続したところです。これで1.0mのケーブルを2.0mまで伸ばすことができました(筆者撮影)

実際にスマホやノートパソコンで延長ケーブルを使ってみた!

それでは、実際にセリアの超急速PD充電対応Type-C延長ケーブルを使ってスマホやノートパソコンを充電してみましょう。

最初に実験するのはAndroidスマホの「OPPO Reno5 A」です。通常は9〜11W程度で充電されますが、延長ケーブルを利用した場合は9.05V/0.89A=8.04Wでした。多少、充電速度は落ちましたが許容範囲でしょう。

Androidスマホで延長ケーブルを利用

OPPOをUSB-Cで充電すると普段は10~12W程度で充電されますが、セリアの延長ケーブルを接続した場合は9.05V/0.89A=8.04Wで充電できました(筆者撮影)

MacBookで延長ケーブルを利用

次に、大容量の電源を必要とするMacBookで延長ケーブルを使用してみましょう。こちらは通常18〜20W程度で充電されますが、セリアの延長ケーブルを利用してもしっかり12.2V/1.61A=19.66Wで充電されました。これならまったく問題ありませんね。

通常は18〜20W程度で充電されるMacBookですが、セリアの延長ケーブルを利用しても12.2V/1.61A=19.66Wで充電されました(筆者撮影)

セリアの「超急速PD充電対応Type-C延長ケーブル」は規格違反なの!?

セリアの「超急速PD充電対応Type-C延長ケーブルはUSB PDの規格違反では?」という噂を耳にすることがあると思います。

最大100Wの大電力を供給できるUSB PDですが、この仕様が策定されるまでは紆余曲折がありました。そのため、USB-Cでの電力供給に関しては多少混乱があります。

実は、USB PDが定める電源供給に違反する商品も市場に出回っており、某有名ゲームメーカーのAC電源も規格違反だったりしますが、セリアの超急速PD充電対応Type-C延長ケーブルも、やはりUSB PDの規格には違反しているようです。

ただし、法律で販売や使用が禁止されているわけではなく、20V/3A=60WまでのUSB-Cケーブルやデバイスであれば問題なく利用できます。

超急速PD充電対応Type-C延長ケーブルのパッケージ裏を確認すると「60W以上のeMarker(イーマーカー)内蔵ケーブルは使用できない」と注意書きがありました。

やはり、20V/5A=100Wに対応するUSB-Cケーブルやデバイスでの使用は避けるべきでしょう。

超急速PD充電対応Type-C延長ケーブルのパッケージ裏を確認してみましょう。これを見る限り100W(20V/5A)対応のUSB-Cケーブルやデバイスの使用は避けるべきでしょう(筆者撮影)

ちなみに、eMarkerとはUSB PDを利用するのに必要な情報を記録したICチップのこと。USB PDの規格に合わせた電力調整を行って安全に充電できる機能があります。

もし、3Aまでしか流せないUSBケーブルに5Aを流してしまうと、eMarkerが故障したりケーブルが発火する危険性もあるようなので十分注意してください。

こちらはダイソーで330円で販売されているeMarker内蔵100W対応USB-Cケーブルです。このようなUSB-Cケーブルはセリアの延長ケーブルでは使用できません(筆者撮影)

なお、超急速PD充電対応のType-C延長ケーブルの製造元であるアットキューの公式サイトでは、以下のような記載が確認できました。

それによると、iPhone 15シリーズに付属するUSB-Cケーブルを使って充電しても問題ありませんが、iPad Proに付属するType-C to Type-CケーブルはeMarker搭載なので使用できません。

(Image:atq.amebaownd.com) こちらは製造元のアットキューの公式サイトの注意書きです。iPad Proに付属するType-C to Type-Cケーブルは使用できないのでご注意ください(画像はアットキュー公式サイトより引用)

■製造元アットキューの注意書き

※60Wを超えるeMarker内蔵ケーブルとはご使用頂けません
※Apple社のiPad Pro付属のType-C to Type-Cケーブルは、eMarker内蔵の為ご使用頂けません
※Apple社のiPhone15シリーズ付属のType-C to Type-Cケーブルは、ご使用頂けます
※Apple社のType-C to Lightningケーブルは、ご使用頂けます

●アットキュー「超急速PD60W充電対応Type-C延長ケーブル1m(AT-PDCASTCEX02)」は→こちら

まとめ

いかがでしょうか? セリアで110円の超急速PD60W充電対応Type-C延長ケーブルは、USB-Cケーブルを手軽に延長できるお役立ちアイテムです。

実際に筆者がスマホとノートパソコンで使用したところ、問題なくUSB-Cケーブルを延長して急速充電することができました。

ただし、Apple社のiPad Pro付属のType-C to Type-Cケーブルなど、60W(20V/3A)を超えるeMarker内蔵ケーブルでは利用できませんので注意してください。

※記事中の商品は筆者(編集部)が購入時点のものです(2024年1月)。店舗によっては在庫切れ、取り扱いがない場合もありますのでご了承ください。
※文中の価格はすべて消費税込みです。

オトナライフ編集部

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