ビジネスジャーナル > ITニュース > セールスイネーブルメントツールおすすめ

【2025年最新版】セールスイネーブルメントツールおすすめ8選!中小企業に選ばれているツールは?

2025.08.04 2025.08.03 13:29 IT
「Unsplash」より
「Unsplash」より

トップセールスのノウハウが属人化し、新人の立ち上がりに時間がかかっていませんか?

営業担当者個人のスキルに依存しがちな営業組織を、データと仕組みで強化するセールスイネーブルメント。本記事では、中小企業が導入すべき理由から具体的なツール選択まで、営業変革を成功に導くための実践的なガイドを提供します。

セールスイネーブルメントツールとは

セールスイネーブルメントの定義

セールスイネーブルメントツールは、営業チーム全体の売上向上を目的とした仕組みです。営業担当者一人ひとりが継続的に成果を出せるよう、必要な情報やノウハウ、トレーニングを体系的に提供し、営業組織全体の強化を図るシステムです。

具体的な要素

  • 営業に必要な情報、コンテンツの整理と共有
  • システムによる商談分析
  • 営業トレーニング、人材育成

SFA・CRMとの違い

よく混同されるSFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)とは、目的と役割が異なります。CRMが顧客情報を一元管理し、SFAが商談や営業活動のプロセスを管理・効率化するのに対し、セールスイネーブルメントは、その活動の「質」を高め、成果の再現性を生み出すことに重点を置いています。SFA/CRMが「活動の記録と管理」の側面が強いのに対し、セールスイネーブルメントは「営業力の強化と標準化」を担う役割です。

システム 主な目的 重点ポイント
CRM 顧客関係管理 顧客情報の一元管理
SFA 営業プロセス管理 活動の記録と効率化
セールスイネーブルメント 営業力強化 活動の質向上と標準化

なぜ今セールスイネーブルメントなのか?中小企業が導入すべき理由と効果

属人化した営業ノウハウを共有資産に変える

「トップセールスの成績に依存している」「優秀な営業担当者が辞めるとノウハウが失われる」といった課題は、企業の持続的な成長を妨げる大きな要因です。

セールスイネーブルメントツールを導入することで、トップセールスが持つ顧客へのアプローチ手法、効果的なトークスクリプト、刺さる提案書といった「暗黙知」を、動画や資料などのコンテンツとして誰もがアクセスできる形(形式知)に変えることができます。

これにより、個人のスキルを組織全体の資産として蓄積し、営業チーム全体のレベルを底上げすることが可能になります。

経験に頼らない営業プロセスの標準化

経験の浅い営業担当者は、「どのタイミングで、どの顧客に、どの資料を見せれば効果的なのか」がわからず、手探りで活動しがちです。

セールスイネーブルメントツールは、効果的な営業資料や提案書テンプレートをツール内に格納し、SFA/CRMの商談フェーズと連携させることで、営業プロセスを標準化します。これにより、誰もが「勝ちパターン」に沿った質の高い営業活動を実践できるようになり、成果の再現性が飛躍的に向上します。

新人育成を効率化するデータ活用トレーニング

従来の上司や先輩によるOJT(On-the-Job Training)は、指導側のスキルや経験に依存し、育成に時間がかかるという課題がありました。セールスイネーブルメントツールを活用すれば、eラーニングコンテンツの視聴履歴やテスト結果、さらには「どの資料をよく使っている営業の成約率が高いか」といったデータを分析できます。

これにより、個々の営業担当者の強みや弱点を客観的に把握し、一人ひとりに最適化されたトレーニングを効率的に実施できるため、新人の早期戦力化を促進します。

非効率な業務を削減し、提案活動に集中できる環境を構築

多くの営業担当者は、本来最も注力すべき顧客との対話や提案活動以外の業務に多くの時間を費やしています。特に「最新の提案書はどこにあるのか」「あの事例資料が見つからない」といったコンテンツ探しに費やす時間は、生産性を大きく低下させる要因です。セールスイネーブルメントツールは、必要なコンテンツをいつでも誰でも簡単に見つけられる中央リポジトリとして機能します。

これにより、資料作成や検索といった付帯業務が大幅に削減され、営業担当者が「売る」ための活動に集中できる環境を実現します。

セールスイネーブルメントツール選定で外せない6つのポイント

自社の営業課題とのフィット感を重視する

まず、自社が抱える最も大きな営業課題は何かを明確にすることが重要です。「新人の立ち上がりが遅い」「提案の質にバラつきがある」「特定の商品だけ売れない」など、課題によって重視すべき機能は異なります。例えば、人材育成が課題ならトレーニング機能が豊富なツール、提案の質が課題ならコンテンツ管理・分析機能が強力なツールを選ぶべきです。ツールありきではなく、自社の課題解決に直結するツールを選びましょう。

営業担当者が現場で使いやすいか(UI・UX)

どんなに高機能なツールでも、現場の営業担当者に使われなければ意味がありません。多忙な営業担当者がストレスなく使える、直感的でシンプルなインターフェースは必須条件です。特に、普段利用しているSFA/CRMやメールソフト内からシームレスに資料を検索・共有できるか、スマートフォンやタブレットでも快適に操作できるか、といった「現場での使い勝手」は、導入後の定着を左右する極めて重要なポイントです。

コンテンツ管理・分析の精度と柔軟性

セールスイネーブルメントの中核となるのがコンテンツです。必要な資料がすぐに見つかる高度な検索機能はもちろん、常に最新版が共有されるバージョン管理機能は不可欠です。さらに重要なのが分析機能です。

「どの資料が、いつ、誰に、どれくらいの時間閲覧されたか」「成約につながった商談では、どの資料が使われていたか」を分析できるツールを選ぶことで、売れるコンテンツを特定し、営業活動全体の質をデータに基づいて改善していくことができます。

チェックポイント

  • 高度な検索機能とバージョン管理機能が充実しているか
  • 資料の利用状況と成約データを連携して分析できるか
  • 効果的なコンテンツを特定し、改善に活用できる仕組みがあるか

トレーニング・育成機能の充実度

営業担当者のスキルアップを支援する機能も重要です。商品知識や営業スキルを学べるeラーニング機能、自分の商談ロープレ動画をアップロードして上司や同僚からフィードバックをもらえるコーチング機能など、育成を支援する機能が充実しているか確認しましょう。これにより、集合研修に頼らずとも、個々のレベルに合わせた継続的なスキル向上が可能になります。

既存システム(SFA/CRM)等との連携性

セールスイネーブルメントツールは、単体で利用するよりもSFA/CRMと連携させることで効果が最大化されます。SFA/CRM上の顧客情報や商談データと、ツール内のコンテンツ利用状況を紐づけることで、「受注した顧客は、どの資料を熱心に見ていたか」といったより深い分析が可能になります。

現在利用している、あるいは将来導入予定のSFA/CRMとスムーズにデータ連携できるかは必ず確認しましょう。

コストとサポート体制のバランスを見極める

特にITツールの運用に不慣れな中小企業にとっては、導入時の設定支援やトレーニング、導入後の活用相談といったベンダーのサポート体制が成功の鍵を握ります。日本語での手厚いサポートが受けられるかを確認しましょう。

また、料金体系も重要です。ID数に応じた課金か、機能に応じた課金かなどを確認し、自社の規模や成長計画に合った、費用対効果の高いツールを選ぶことが重要です。

中小企業におすすめのセールスイネーブルメントツール8選

項番 カテゴリ 該当するツール
1 ナレッジ共有・コンテンツ管理に強いツール ・ナレッジワーク
・DealPods
・Sales Doc
2 商談解析・会話の可視化に強いツール ・MiiTel
・ailead
・Amptalk
3 育成・トレーニングに強いツール ・UMU
・Shouin

ナレッジ共有・コンテンツ管理に強いツール

ナレッジワーク

ナレッジワーク出典:公式サイト

株式会社ナレッジワークが提供する「ナレッジワーク」は、営業資料やノウハウといった組織の知識を資産化し、営業の生産性向上を実現するセールスイネーブルメントツールです。セールス、マーケティングなど組織全体で利用できるナレッジプラットフォームとして、必要な情報がすぐに見つかる環境を構築します。

基本情報

サービス名 ナレッジワーク
費用 要問い合わせ
※初期費用0円、利用サービス領域や人数により変動
主な特徴 ・営業資料や動画、ノウハウなどを一元管理
・データ分析による「売れるコンテンツ」の可視化
・専門チームによる手厚い導入・活用支援
無料トライアル・プラン 要問合せ
公式HP https://knowledgework.cloud/

DealPods

DealPods出典:公式サイト

株式会社マツリカが提供する「DealPods」は、商談ごとに顧客と営業が共同で利用する専用のポータルサイト「デジタルセールスルーム」を作成できるツールです。このルームに、これまでメール等でバラバラに送っていた資料や議事録、見積書、タスク管理といった全ての情報を集約。顧客は検討に必要な情報にいつでもアクセスでき、営業は顧客の閲覧状況から関心度を測ることが可能です。情報共有の抜け漏れや認識齟齬を防ぎ、買い手である顧客の購買体験を向上させることで、営業成果の最大化を目指します。

基本情報

サービス名 DealPods(ディールポッズ)
費用 月額 5,000円/名~
主な特徴 ・顧客専用ページで資料や議事録、タスクを共有し購買体験を向上
・AIによる議事録自動作成や、顧客の閲覧状況分析で検討度合いを把握
・セールステックに精通した担当者による導入・活用支援
無料トライアル・プラン 要問合せ
公式HP https://deal-pods.com/

Sales Doc

Sales Doc出典:公式サイト

株式会社イノベーションが提供する「Sales Doc」は、営業資料をオンラインで共有し、顧客の閲覧状況をリアルタイムで把握することに特化したツールです。誰が、いつ、どのページを、何秒見たかまで詳細に分かるため、顧客の興味・関心事を正確に捉え、最適なタイミングで次のアプローチを仕掛けることができます。

基本情報

サービス名 Sales Doc(セールスドック)
費用 月額 30,000円~(10IDまで)
主な特徴 ・資料共有と詳細な閲覧分析で、顧客の興味関心を可視化
・閲覧通知機能で、顧客が資料を見た瞬間にアプローチが可能
・専任担当者による導入後の活用コンサルティング
無料トライアル・プラン 14日間無料トライアルあり
公式HP https://promote.sales-doc.com/

商談解析・会話の可視化に強いツール

MiiTel

MiiTel出典:公式サイト

株式会社RevCommが提供する「MiiTel」は、AI搭載のIP電話サービスです。電話営業や顧客対応の会話をAIがリアルタイムで解析・可視化し、議事録の自動作成やトークの分析を通じて、営業組織全体の応対品質向上と教育の効率化を実現します。

基本情報

サービス名 MiiTel(ミーテル)
費用 月額 5,980円/ID~
主な特徴 ・電話の会話をAIが自動で文字起こし・要約し、SFAへの入力を自動化
・AIが会話のラリー数や話速を分析し、トップセールスの話し方を可視化
・専任担当者による手厚いサポートとオンライン勉強会で定着を支援
無料トライアル・プラン 要問合せ
公式HP https://miitel.revcomm.co.jp/

ailead(エーアイリード)

ailead出典:公式サイト

株式会社aileadが提供する「ailead」は、ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議を自動で録画・解析するクラウドサービスです。AIが商談内容を文字起こし・要約し、会話の内容を分析することで、議事録作成の手間を削減するだけでなく、商談の振り返りや営業教育を効率化します。

基本情報

サービス名 ailead(エーアイリード)
費用 要問合せ
主な特徴 ・Web会議をAIが自動で文字起こし、要約し、SFAへの入力を自動化
無料トライアル・プラン 要問合せ
公式HP https://www.ailead.app/

Amptalk

Amptalk出典:公式サイト

アンプトーク株式会社が提供する「Amptalk」は、電話やWeb会議などの営業活動を自動で記録・要約・SFAに入力する、営業特化のAIツールです。議事録作成やSFAへの入力といった手間のかかる作業をAIが代行することで、営業担当者が顧客との対話に集中できる時間を創出します。

基本情報

サービス名 Amptalk(アンプトーク)
費用 要問い合わせ
主な特徴 ・電話やWeb会議の会話をAIが自動で記録・要約し、SFAに自動入力
・音声認識だけでなく、顧客とのやり取りからネクストアクションを自動提案
・Salesforceなどの連携機能と、スムーズな導入を支援するサポート体制
無料トライアル・プラン 要問合せ
公式HP https://amptalk.co.jp/

育成・トレーニングに強いツール

UMU

UMU出典:公式サイト

ユームテクノロジージャパン株式会社が提供する「UMU」は、AIを活用して人材育成の効果を最大化する学習プラットフォームです。動画やスライド、テストなどを組み合わせたオンライン学習コースを簡単に作成・配信でき、特に営業担当者のトークスキル向上を目的としたAIコーチング機能が充実しています。

基本情報

サービス名 UMU(ユーム)
費用 月額 4,000円/アカウント~(税込、10アカウント以上からの契約)
主な特徴 ・動画やスライドを使い、オンライン学習コースを簡単に作成・配信
・AIがロープレ動画を解析し、話す速度や表情などを自動でフィードバック
・学習のプロによる研修設計や運用定着のコンサルティング
無料トライアル・プラン 要問合せ
公式HP https://umujapan.co.jp/

Shouin for セールス

shouin出典:公式サイト

ビートレード・パートナーズ株式会社が提供する「shouin for セールス」は、日々の営業活動と連携した実践的なトレーニングを実現する営業特化型の人材育成プラットフォームです。学習コンテンツの提供だけでなく、実際の営業活動の振り返りや指導内容を記録・蓄積することで、成長を可視化し、スキル定着を促します。

基本情報

サービス名 shouin for セールス(ショウイン フォー セールス)
費用 要問い合わせ
主な特徴 ・日々の営業活動をテンプレートに沿って振り返り、指導内容を蓄積
・評価コメント作成を支援し、トレーナーの負担を軽減
・営業代行のプロによる目標管理や活動改善の伴走支援
無料トライアル・プラン 要問合せ
公式HP https://shouin-sales.jp/

まとめ

セールスイネーブルメントは、単なるツール導入に留まりません。トップセールスの成功を再現し、データに基づいて営業組織全体を強化する「仕組み」を構築すること、それが真の価値です。中小企業にとって、属人化から脱却し、持続的な成長を実現するための経営基盤となります。

特に注目すべきは、データ分析とAI技術の活用です。どのコンテンツが成約に貢献したのかを分析し、最適な営業トークをAIが提案するなど、これまで経験と勘に頼っていた営業活動が科学的なアプローチへと進化します。リソースが限られる中小企業こそ、これらの技術を活用することで、営業生産性を飛躍的に高めることができます。

導入成功の鍵

導入成功の鍵は、自社の営業課題とツールの機能が合致しているかを慎重に見極めることです。「新人の育成が遅い」「提案の質が低い」など、最も解決したい課題を明確にし、その解決に直結するツールを選択する必要があります。営業現場のリアルな業務フローに定着するかどうかが最も重要です。

導入を検討する際は、必ず現場の営業担当者を巻き込み、無料トライアルやデモで実際の操作性を確認してください。営業担当者にとって「使いやすい」と感じられなければ、定着は望めません。ベンダーの導入支援や活用コンサルティングを積極的に活用し、自社に最適な運用方法を見つけ出すことが、営業改革を成功に導く最短ルートとなるでしょう。

セールスイネーブルメントの導入により、属人化から脱却し、データに基づく営業組織への進化を実現してください。まずは自社の課題を明確にし、それに最適なツールの無料トライアルから始めてみることをお勧めします。

BusinessJournal編集部

Business Journal

ポジティブ視点の考察で企業活動を応援 企業とともに歩む「共創型メディア」

X: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

ニュースサイト「Business Journal」